TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【プレイ日記60】 懺悔 【Miscarcand #6】

●8月5日

奴隷を被検体に新たな魔法生物を創造する現状の実験と平行して、
新規に素体を作るプロジェクトが始まった。
今までの様に素の人間に無理矢理魔晶石や条件付けを詰め込むのではなく、
必要とする性能に適応出来るスペックを持った人類を1からデザインするのだ。
魔法生物というよりは、人造人間と呼ぶべきかもしれない。

計画名は「MPC」。
Magic People Companion――魔法で作られた人々、私達の最も親しい隣人だ。



●8月15日

素体がある程度出来上がってきた。
私達と同じエルフをベースに体組織を構成したところ、予定以上の性能を持っている事が解った。
これはもはや新人類の域かもしれない。


●8月20日

MPC初号が完成。6体がロールアウト。
今日からしばらく徹夜が続きそうだ。


●8月21日

コマンド系の実験。口頭での命令をどれだけ処理できるかのテストだ。
刷り込みは順調な様で、タムリエルに関する基本知識に冠してほぼ間違いなく
正答する事が出来た。

一番驚いたのは、無意味だと思いつつも、私が被検体に「よくやった」と労いの言葉をかけると
「ありがとう」と返事を返した事だった。

これはインプやスケルトンでは出来ない芸当だ。

制御系の開発主任によれば、スケルトンの様に後付の魔力回路を載せるのではなく、
元からある体内器官を利用して魔力を行使するため、素体となっている脳にかかるストレスを
軽減させる為に命令系統の『条件付け』と矛盾しない程度に感情の縛りに少し『ゆらぎ』を
与えているのだという。

その為に多少個体によって「癖」も出てくるが、その方がマナの巡りも良いのだという。


あまり人間臭くなられるとやり辛くなるのでこちらも困るのだが。
それ位、彼女の笑顔は魅力的だった。


●9月1日

魔法耐久実験。
被検体がどれだけ高度な魔法を制御する事が出来るかの耐久実験だ。

彼女達の詠唱、結印の手際の良さはアルドマーである私でさえ目を見張るものだったが、
刷り込み知識で身に着けた技術が先行して明らかにマナの制御が追いついていなかった。

中には無理に行使しようとした結果暴発して怪我をする者までいた。

私はチーフにスペックダウンして験体の負担を減らす様上申したが、聞き届けられなかった。
現在のスペックを満たせなければ実戦で役に立たないというのが上層部の見解らしい。
前線級のバトルメイジすら凌駕する能力を持つ兵隊を量産して、一体何と戦おうというのか。


●9月20日

1体、実験中に死亡した。
魔法が安定せず逆流したマナによって自分の身を焼いてしまったのだ。
チーフは奴らは人間ではないのだから気に病むなと言うが…
死ぬ間際に悲鳴を上げる魔法生物がいてたまるものか。

MPC達にも何か動揺があるのではないかと思い、私は先日話しかけた彼女に声をかけた。

「確かに怖いですけど、成功したら誉めてくれますよね?」

私は何も答える事が出来なかった。


●9月28日

観測実験。
待機中、つまり命令を入力していない状態のMPCの行動を監視し
予想外の行動や誤動作がないか調べるのだ。

制御主任の言う通り、個体によってはイライラしたり、ボーッと立ち尽くしていたりと
確かに個体差による「癖」が激しいようだったが―――

件の彼女は、何と歌を歌っていた。
後で彼女に問いただしてみると、誰に教わったのでもなく、自然と口をついて出たのだという。

「好きにしていいと言われたので、普段使わない言葉を繋いでみました」

確かに、愛や別れなんて単語は普段の実験では使わないだろう。
だが、君は恋愛感情が理解できるのか、と問うと

「良く解りませんが、皆さんは頑張ると誉めてくれるので好きです」


胸が痛い、と制御主任に漏らしたら、「奉仕する事に悦びを感じる様に組んでストレスを減らした」
との事だった。
ついでに彼は、「ただのルーチンなんだから、恋したりするなよ」といやらしく笑った。

君はきっと私よりひどい地獄に落ちると思うよ。



●12月13日

開発が終了した。
戦争が終わったのだ。

アイレイド本国はアレッシア率いるシロディールの奴隷達によって敗北し、崩壊した。
開発チームは解散し、間もなく始まるであろうアルドマー狩りに怯えて皆姿を消していった。

シロディールを奴隷とし、多くの命を弄んだ報いなのかもしれない。
それでも尚、誰もが居なくなった後も私はこの研究室に残り続けていた。


予定していた初号のデータ収集が終了し、次世代型MPC「エキドナ」の素体が
すでに完成していたからだ。

生命を弄んだ罪は重いかもしれないが、既に作り上げてしまった物から
目を逸らす訳にはいかなかった。

それは、彼女に対する贖罪のつもりかもしれない。


この研究室に6体いた初号MPCの内生き残ったのは例の彼女1人だった。

他の物…者は、訓練に耐え切れず自分を追い込んで自殺したり、能力の増大に
身体が追いつかず爆死したりした。

一番酷かったのは発狂して暴走を起こした例だ。
その実験体はそれまで「条件付け」によって抑制していた感情が爆発し、
次々と研究者達を殺し、駆けつけた警護のスケルトンも一つ残らず粉砕していった。

それを止めた…殺したのが…彼女だった。

私が駆けつけた時、彼女は言った。

「大丈夫ですか」と。
仲間の返り血を浴びて。
ただ使命に従順に。


あの時、私は流せるものなら血の涙を流していただろう。

こんな無茶な使い方さえされてなければ、精神制御さえされていなければ、
本当はアイレイドの魔術師10人に匹敵する程の力の持ち主だと言うのに、
彼女は何も知らずに献身的に好意を寄せてくる。

度重なる試験で心身ともにかなり消耗していた筈だったが、こちらの姿を見つけると
いつも犬の様に嬉しそうに駆け寄ってくる。

何故神は、彼女達にこんなにも過酷な運命を与えたのか。

違う。
与えたのは私達だ。

自分達よりも高位の存在を生み出しておきながら、それを足元に縛り付けたのは私達だ。


「それが私達の至上使命ですから」


吐露する私を、彼女は罵倒しようとはしなかった。


「MPCはマスターの望みを叶えるのが使命です」


だから今は慰めます、と彼女は笑った。


…私は何というものを作ってしまったのだろう。
恨むことも出来ず、なにも知らずにただ私達を信じて死んでいく
彼女達の思いはどうすればいいんだ。


ただただ救いが欲しくて、私は彼女に懇願した。
何か欲しい物はないか、何かしたい事はないかと。

少し考えた後、彼女は

「ずっと地下にいたので、空というものを見てみたいです」

と、あの美しい笑顔で私に微笑みかけて―――――


























そのまま、彼女は息を引き取った。


























●注釈



※今回の内容は公式設定を一部流用しておりますが、大半は筆者の創作による設定ですのでご了承下さい。


●魔法生物

魔法文明と言われたアイレイドの魔法水準の高さを示す技術のひとつ。
スケルトンやインプといった召喚魔法でもメジャーなものが主だが、異なる点は
召喚によるスケルトン等は異界から召喚された物であり、召喚者のマナを原動力として
動くのに大して、アイレイドの魔法生物は魔法の力と幾つかの触媒によって「生み出された」
存在であるため、自立して活動する事が出来る点である。

そのため、アイレイド文明が滅びた今でも警護役や門番としてスケルトンが遺跡を守っている
姿が多くみられる。


●魔晶石

ウェルキンド・ストーンの意訳か。
現在はその中に凝縮されているマナを取り出して魔法の武器に魔力をチャージするのが
一般的な使い方だが、アイレイド文明では所有者の魔力を底上げするための手段として
用いられていた。


●魔力回路

体内のマナを精製するための場所。全ての生命が持っている。
本来は体内の一器官としてある訳ではなく、概念的な物。

アイレイドのスケルトンは魔力で動かしているだけのただの骨で、魔力回路を持たないため
自ら魔力を精製する事が出来ないが、遺跡から供給される魔力やウェルキンドストーンなどを
取り付ける事で動力としている。


●条件付け

いわゆる洗脳。


●脳にかかるストレスを軽減させる

もし将来感情や疲労をリアルに再現したロボットが登場した場合(何の用途でだ?)
こういう処理をしておかないと人間からのオーダーに対して休みたい、やりたくない、
でも命令聞かなきゃいけないなんてなると物凄く効率が悪くなるんじゃないかと。

最終的に「奉仕する事が最大の悦び」という大前提を与えてやれば解決するんじゃないかと
いうのは後述している通り。

「感情の縛りにゆらぎを与えている」というのは、魔法を行使する上でいわゆる「気合」とマナが
密接に関係している為、ポジティブに向かう感情はあえて残しているという意味合い。


●アルドマー

アイレイドエルフの略称。
同様にダークエルフはダンマー、ハイエルフはアルトマー、ウッドエルフはボズマーなどと呼ばれる。

全てのエルフの始祖。伝説的・神秘的な大地からタムリエルにやってきたと言われており、
その後最初に辿り着いたサマーセット島に定住した者はハイエルフに、ヴァレンウッドでは
ウッドエルフに、モロウインドではダークエルフに、ハイロックではNedic(人間の始祖)と結び
ブレトンになったという。

シロディールに流れ着いたアルドマー達はCyrodiil(現在のインペリアル)を奴隷としアイレイド
帝国を建設し、Cyrodiilの中から女帝アレッシアが登場し反乱を起こすまでの間、長きに渡り
シロディールを支配した。

彼らは魔術に長けていた他、建造技術なども高く、今でもその粋を集めた地下都市が遺跡として
今日でも姿を留めている。


●アレッシア

帝国第一期、いわゆる1st Eraに初めて登場するシロディール最初の皇帝にして女帝。
アカトシュ神の加護を受け、アイレイドに抑圧されていた人間種族を率いて反乱を起こした。

この時アカトシュ神から授かった『王家のアミュレット』は王朝や家系を越えて永く
皇帝の証として受け継がれていく事になる。


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  1. 2009/08/13(木) 16:37:09|
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天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

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