TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【プレイ日記53】 騎士の誓い 【オークのマゾーガ#3】

53-01


マゾーガがズカズカと自分達の方へ来るのを見て、キャンプの人たちは少し驚いている様だった。
そりゃ、完全装備のオークが漁場へ現れれば無理もない。


「マゾーガの奴、どういうつもりだ?」

「戦闘になるかもしれませんね」

「何だって?」

「正面の裸の男、腰のナイフから魔法の反応があります。マジェラの位置からは見えにくいですが
焚き火の影に完全武装したカジートが1人。背中に負ってるのはおそらく両手剣かと」

「…なるほど。漁師の持ち物じゃないな」


俺は全体の動きを見渡せる様にマゾーガから少し距離を置き、
いつでも飛び出せる様に身構えた。

「やぁ、いらっしゃい剣士様。こんな所に何の用ですかい」

男達の1人が、気さくにマゾーガに声をかけてきた。
漁をしていた所だったのか、上半身には何も着ていなかった。
その身体は無駄な筋肉がなく引き締まっていて、戦う者の身体である事を認識させる。

マゾーガは男を睨み付ける様に顔と全身を見回した後、強張った声で話しかけた。



53-02

「私を覚えているか」

「さて、オークに知り合いはいないんですがね」

「…私はマゾーガだ。お前が私の友ラ=ヴィンドラを殺したな」

「…止して下さいよ。俺はただの漁師ですぜ。ラ=ヴィンドラなんて奴は知らない」



…敵討ちか。そういう事だったのか。
だがマゾーガも会ってすぐ解るほど顔を覚えてなかったらしい。
直に会えば、すぐにでも問いただせると思っていたのか、
意外な言葉を投げかけられて剣を抜こうか抜くべきか迷ってる様だが―――


「…彼女の性格だと問答無用で斬りかねませんね」

「仕方ねぇな…おい、あんた」



俺は半裸の男に話しかけた。


「変わったダガーを持ってるんだな。どこで手に入れたんだ?」

「え?…これはただの鉄のダガーで、魔法も何もかかってやしませんぜ?」

「狩猟用にしては珍しいって意味だったんだが」

「えっ、いや…」



エキドナの報告でそれが魔法のダガーだというのは解っている。
問題は相手がそれをどう使っているのかだ。

自称「漁師」の彼が漁の為に使っている訳ではない事はその動揺ぶりで明らかだった。


「…お前は下劣な嘘つきだ」


意を決したマゾーガが、怒りを露にして腰から剣を抜いた。


「お前はラ=ヴィンドラを殺した。今こそその代償を払わせてやる」

「くそっ、風使いのモーガンスを舐めるなよ!おい、お前ら!」



男―――モーガンスの呼びかけに一連のやりとりを見守っていたカジートの戦士と
ダークエルフの女が武器を抜いた。





53-03

エキドナの言うことは最もだった。結局最後は殴り合いになるのがシロディール流ってことか!?

「ダーイ!!」


カジートの戦士が両手剣を振り回して襲い掛かってくる…が、
その一撃は見た目の派手さの割に妙にスローだ。

俺は微妙に打点をずらしながら両手剣の一撃を篭手で受け止め、そのまま左手で流した。


「なんだ…?ナメてんのかお前」


が、当のカジートは渾身の一撃を片手で受け流されて驚愕していた。


「ば…バケモノかてめぇは!?」


あぁ、そうか。
ここ数ヶ月、オブリビオンの化物連中と戦ってきてたせいで俺の五感もかなり鍛えられていた。
決して人間がドレモラ達に劣る訳ではないが、ただのゴロツキと生まれついての戦士である
ドレモラでは雲泥の差があった。


「…そうみたいだわ」


妙に敵の動きが緩慢に見えると思ったが、そりゃドレモラ達と比べる方が可哀相な話だ。
あいつら殺し合いが生涯の全てってツラしてるし…剣にかける情熱が違う。良きにしろ悪きにしろ。


「運が悪かったな、あんたら」


単純に自分の成長を喜びつつも、俺は相手の冥福を祈りつつ剣を構えた。














***

















53-04

「お前のお陰で仇を討つことが出来た。感謝する」

マゾーガの戦いは、更に圧倒的なものだった。
モーガンスにナイフを抜く間も与えずに左手の盾で殴りつけて押し倒し、そのまま一刀両断。
あまりに見事すぎて声もでなかった。
マゾーガがオブリビオンを単身で破壊できた理由が何となく解った気がした。
彼女ならドレモラ相手でも力負けすることなく正面から立ち向かえるだろう。



「…案内だけを頼むつもりだったが、巻き込んでしまってすまなく思っている」

「なら…そろそろ今回の理由を話してもらえないか」

「いいだろう。お前は優れた戦士だ。騎士として礼節を払おう」



マゾーガは元々レヤウィンの辺境、シロディールの国境付近にある小さな村落の出身だった。
(その為ある程度簡単なシロディール語は話せたが、普段は土着の言葉を使っていたらしい)


「…待て。この前帝都の方から来たって言ってなかったか?」

「ラ=ヴィンドラは帝都にはシロディールの全ての情報が集まると言っていた」



…色々と諸兄も言いたい事があるだろうが、話が長引きそうなのでツッコミは割愛する。


シロディールでは嫌われ者であるオークとして生まれた彼女は、村でも不当な差別を受ける事も多く、
元々気性の激しい性格であった事もあり、村を飛び出してゴロツキまがいの生活を続けていた。


「そんな時に出会ったのがラ=ヴィンドラだった」


ラ=ヴィンドラはマゾーガの荒んだ心を優しく癒し、更正させてくれたという。


「シロディールの他の地方の事や神様、そして騎士の事。ラ=ヴィンドラは私の知らない
ブラックウッドの外のことをたくさん教えてくれた。最高の親友だった」



当時、不良少女だったマゾーガもラ=ヴィンドラから節度を学び、無闇な暴力を行わないことを誓って
ラ=ヴィンドラの家で二人静かに暮らしていたのだが…






53-05

「だが、モーガンスはラ=ヴィンドラを殺して逃亡した。
…その日から私は騎士の誓いを立てたのだ」

「あんたの剣は親友の為、か」

「そうだ。騎士とは誇り高き誓いの下に戦う戦士の称号だとラ=ヴィンドラは言った。
だから私は亡き親友に騎士の誓いを立て、長きにわたって奴を追いった。
そして今こそ私は騎士の誓いを果たしたのだ。
お前達の助けを私は決して忘れない」



そこまで言って、マゾーガは綺麗な角度で頭を下げた。


「お、おい、よせよ」

「騎士は礼節を重んじるものだ。ラ=ヴィンドラがそう言っていた」



…騎士は王や領主に仕えるものだし、
そもそも騎士の定義が色々と間違っているのだが、
マゾーガの言葉には信念があった。

ラ=ヴィンドラとやらに教えられた「騎士」の定義をマゾーガなりに解釈したのが
今の彼女の姿なのだろう。


「…これからどうするんだ?」

「そうだな…とりあえず私はレヤウィンが気に入った。しばらくあそこに居ようと思う」



頭を上げたマゾーガは、口の端に牙を覗かせて(というか突き出してるが)ニヤリと笑った。


「あの伯爵は私を助けるためにアンタを寄越してくれたし、アンタも最高の剣士だった」

「いや…実は俺はただの通りすがりなんだ」

「それは残念だ。…まだ名前を聞いてなかったな」

「マジェラだ。こいつはエキドナ」

「マジェラにエキドナ。私はしばらくレヤウィンに腰を落ち着けてラ=ヴィンドラの為に祈りたいと思う。
何かあったら気兼ねなく訪れろ。いつでも力になろう」

「あぁ」








「…独特な感じの人でしたね」


エキドナが珍しく、他人の感想を洩らした。


「言葉がちぐはぐなせいか妙に噛み合わなかったけどな…」

「でも、あまり嫌な感じはしませんでした」

「そうだな」



孤高の騎士、マゾーガ。
騎士、というよりは義侠の士、と言うべきだろうか。

俺達は彼女の姿が見えなくなるまで、その後姿を見送った。





53-06















注釈



●ラ=ヴィンドラ

マゾーガの「親友」。
ゲーム中に出てくるのは名前だけで職業、種族、性別すらも不明で困った困った。
名前の法則的にカジートかアルゴニアンなんじゃないかと思うんですがどうだろう。

後に語られるであろうマゾーガの過去を見る限り、彼(女)が現在のマゾーガの
人格形成に影響を与えたのは間違いないと思うのですが。


●マゾーガの騎士の定義

本編でも誓いを立てる=騎士だと思ってるフシがあるのでもうちょっと創作を足して
補完してみました。

この辺についてはまたおいおい語っていく機会があるかもしれません。

余談ですがウチでは話の流れ上、衛兵団と騎士団をあえて混同してますが、
ゲーム中で「騎士」って明言してる人間ってブレイドとナイツオブナイン以外だと
実はマゾーガとファルウィルだけなんじゃないかという事に今気が付いた。
…正統派な騎士がいねぇ。


●何で裸なん?

SS撮る前に装備品を剥いてしまいました。サーセン。










スポンサーサイト

テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2009/08/05(水) 12:06:12|
  2. RP小説-メインクエ篇
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<【プレイ日記54】 Blood of the Divines (神々の血筋) 【oblivion】 | ホーム | 【プレイ日記52】 流浪の騎士は語れない 【オークのマゾーガ#2】>>

コメント

|・∀・)ヒョコ
天気輪さんこんばんは!
みありです。
いつもぶろぐにコメントありがとうございます。

マゾガっちクエストをこなしたのはもう随分前になってしまうんですが、クエストこなしていく度にマゾガ姉御に親しみが沸いていったのを思い出しました。

オブリはキャラがリアルなせいか、どのNPCも一緒にいると愛着沸いてきます^^*
  1. 2009/08/05(水) 21:42:59 |
  2. URL |
  3. miari #wVPWx2mE
  4. [ 編集 ]

Re: いらっしゃいませー

こんばんわ。こちらこそ毎度楽しく拝見してます^^

マゾーガはどこか会話がズレてるけどいい奴だっていう妙に味のあるキャラですよね。
巷ではオブリ三大美女の1人(笑)と言われてるそうですが。

世間話を始めたりとか、時間によって行動が変わったりとかオブリのキャラは
確かにリアルで愛着沸きますね。
ウチのエキドナはその辺の人に話しかけられるたびに「話すことは何もない」とか
「放っておいてくれ!」とかヒドイ事いいますが…;


  1. 2009/08/05(水) 22:00:34 |
  2. URL |
  3. 天気輪 #-
  4. [ 編集 ]

面白い!
日記はネタばれかな?と思ってあまり読まないんですが・・面白いですね^^
このクエストはけっこう好きで今まで何度かやってますが飽きた感じがないです。
マゾーガさんとの会話もぶっきらぼうで最初戸惑うんですが、クエストを通して仲良くなっていくのでアリーナの「たまねぎの人」みたいな仲間ができるようで嬉しかったのを覚えています。
  1. 2009/10/16(金) 21:00:19 |
  2. URL |
  3. win #-
  4. [ 編集 ]

Re:

>winさん
こんばんわ。

>面白い!

ありがとうございます!

確かにウチはVanillaクエストをずっと追いかけて書いてるのでネタバレ激しいですね;
動画みたいに流れていく物でもないので、
プレイ深度に合わせて気軽に見て頂ければ幸いです^^

やる事自体は非常にシンプルで大して目立った展開のないクエストなのに
妙に印象に残るのはマゾーガさんのキャラの強さ故でしょうか…

PC版はコンパニオンが当たり前になってますが、
PS3版をやっていた時に初めて仲間になってくれた最初のキャラだったので、このサブクエストは私も
お気に入りのひとつです。

ウチのタマネギはクエ終了後に閉ざされる家の中で死んで以来行方不明になりました(泣)

  1. 2009/10/16(金) 21:36:39 |
  2. URL |
  3. 天気輪 #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kirinsasidchemistry.blog47.fc2.com/tb.php/69-fbdc5eea
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

天気輪

Author:天気輪
天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

Twitter@Tengkiring


このサイトはリンクフリーです。

カウンター

Visit:

Now Online:

検索フォーム

最新記事

カテゴリ

はじめに (1)
登場人物紹介 (4)
もくじ(RP小説) (3)
RP小説-メインクエ篇 (121)
RP小説-戦士ギルド篇 (15)
RP小説外伝-青鬼篇 (20)
RP小説外伝-しろメル篇 (11)
RP小説外伝-短篇 (2)
もくじ(自作MOD) (1)
自作MOD (20)
もくじ(その他) (1)
CS・ツール (20)
MOD紹介 (29)
他作MOD配布 (1)
Legend of Diva攻略 (5)
雑記 (53)
Fallout3/NewVegas (5)
他のゲーム (5)
戯言 (8)
事故創作 (1)
未分類 (0)

ブログ記事ランキング

最新コメント

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

World-Word-翻訳

英語English
韓国語 한국어
中国語 中文
フランス語 Franc,ais
ドイツ語 Deutsch
イタリア語L'italiano
スペイン語 Espan~ol
ポルトガル語 Portugue^s
Present's by サンエタ
英語English
韓国語 한국어
中国語 中文
フランス語 Franc,ais
ドイツ語 Deutsch
イタリア語L'italiano
スペイン語 Espan~ol
ポルトガル語 Portugue^s
Present's by サンエタ

Twitter

アンケート

無料アクセス解析

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。