TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【プレイ日記132】残骸と記憶【The Master's Son#3】






126-01.jpg

「――それで、ガルトゥス・フレヴィアは死んでいたのか」

そう言ったオレインの眉間には、いつもより多く皺が刻まれている様に見えた。


「死体の特徴と外見は聞いてた話と一致していた」

「…わかってる。お前らが持ってきた死体は俺も見た」



オレインは溜まった皺をほぐす様に眉間を抑え、深く溜め息をついた。










132-01.jpg

「それで、これは」


机の上に置かれた悪趣味な装飾の盾を見て、オレインは言った。


「死体の側に打ち捨てられてました」


ヴィラヌスが答えた。


「彼の持ち物でしょうか?」

「・・・さぁ、な」



先ほどの深刻な表情から一転して、オレインはいつものはぐらかす様な返事を返した。


「3人ともご苦労だった。遺族への死体の引渡しはこっちで処理しておく。
初陣にしては上場だ、ヴィラヌス」

「は、はぁ」



そう言うヴィラヌスの表情は暗い。
魔物の巣窟で助けを待つ哀れな男を救いに行くつもりで任務に向かったのだろう。


「奴が死んでたのはお前のせいじゃない」


その空気を察したのか、オレインが口を開いた。





132-02.jpg

「死体が見付かっただけ儲け物だと思え。前大戦で死んだ奴の嫁の中には
未だに男の帰りを待ち続けてる女もいる。お前らが死体を持ってきてくれたお陰で
フレヴィアの家族はようやく奴の死を受け入れる事が出来るんだ」

「ですが・・・」

「今はそれで納得しておけ。それでも納得できなかったらこれから先の任務で
お前なりの答えを見付けろ。この仕事を長くやってりゃァ、後味の悪い結末なんざ
幾らでもある」

「・・・はい」

「いい返事だ、『ドントン』」



オレインは口の端を歪ませ、ヴィラヌスの肩を叩いた。


「さぁ、この仕事はこれで終わりだ。次の依頼が来るまで酒を飲むなり
女を買うなり好きに羽根を伸ばせ」

「おんっ・・・」



ヴィラヌスの顔が赤く染まったのを見て、オレインは片眉を釣り上げた。


「おっと、俺が言った事は内緒だぜ?ドントンのお坊ちゃんにいけない遊びを教えた事が
ヴィレナに知れた日にゃあ、俺がギルドから叩き出されちまう」



そう言ってオレインはガハハ、と豪快に笑った。
これにはヴィラヌスも引きつる様に笑うしかなかった。彼はまだ若かった。


「じゃあ、皆さん家へどうですか?スキングラードから取り寄せた特級品があるんですが」

「今はどちらかと言うと、お腹が減ってる」



図々しくレオは言ったが、ヴィラヌスはにこやかに笑った。


「何か振る舞いますよ。男の料理で良ければ、ですが」

「お前が作るのかよ」

「これも嗜みだと母から教えられましたから」

「そんな事よりお腹が空いたよ」

「ハハ、じゃあ行きましょうか」








132-03.jpg

「クロエ」

「・・・何だ、オレイン」

「少し付き合え。おごってやる」

「・・・?」



















***



















132-04.jpg

「―――で、何なんだ、オレイン」

「聞きたいのはお前の方だろう?」

「・・・」



遠回しなオレインの返事に内心イラついたが、仕方ない。
この男はこういう話し方しかできないのだ。そうに決まっている。


「ガルトゥス・フレヴィアの死因」


クロエは言った。


「背中から袈裟斬りにされた跡があった。刃物の傷だ。あの洞窟には
ゴブリンは居なかったし、オーガやトロールは武器を使わない」

「フレヴィアは魔物ではなく、『何者か』に殺された――そう言いたいのか?」

「そう言わせたかったんだろ」

「上出来だ」



杯の中のエールを一口あおり、オレインは言った。


「お前らが持ち帰ってきたあの盾――あれは、ブラックウッド・カンパニーの物だ」

「ブラックウッド――」



記憶をたぐり寄せながら、クロエは言った。





128-03.jpg

「ス=カーシャが言ってたウチの商売敵か」

「フレヴィアは奴らの動向を探る為に俺が放った間者だ」

「間者<スパイ>?」



クロエは目を丸くした。


「アンタにそんな腹芸が出来るとは知らなかったぜ」

「言ってやがれ。俺の仕事はイスをケツで磨くだけじゃねえんだよ」



そう言ってオレインは笑ったが、すぐに生真面目な顔に戻って言った。





132-05.jpg

「フレヴィアは奴らに見つかって殺された。ご丁寧に『誰が殺ったか分かる様に』な」

「警告?」

「だろうな」

「マスターは何て言ってるんだ?」

「ヴィレナはこの事は知らんよ。知っても知らんフリだろうさ」

「・・・アンタの独断って事か?」

「・・・」

「オレイン、何でアンタ連中にわざわざ喧嘩売る様な真似を?」

「・・・売ってきたのはあいつらだ」



杯に浮かぶ液体を見つめながら、オレインは言った。
その顔はいつになく険しかった。


「あいつらはな、ヴィテルス・ドントンの仇だ」

「ドントン?・・・確か、あの坊やの兄貴」

「ヴィラヌスから聞いたのか」

「アンタ、知ってたのか?マスターにもう一人息子がいたなんて知らなかったぜ」

「お前とあの小僧以外はみんな知ってるよ。話さないのはタブーだからだ」

「タブー?」

「ヴィレナは連中に売られた喧嘩を買わなかった」



オレインは言った。


「さすがの剣神ヴィレナも息子を殺られて耄碌したのかもな・・・
彼女は連中とコトを構えるより、これ以上ギルドに被害が出る事を嫌った。
そうすればこれ以上人間同士の殺し合いで死人が出なくて済むと」

「ビビっちまった訳か」

「向こうもそう思ってるだろうな。実際、それから連中が俺達に手を出す事はなかった」



だがな、とオレインは言った。


「ヴィテルスは俺にとっても相棒だった。そして俺はそこまでナメられて
黙っていられるほど腑抜けでもねえ」

「――つまり、アンタの仇討ちに付き合えってのか?」

「腕の立つ連中は今みんな出払っちまってる。信頼できる奴もな。
そしてお前はこれまでの仕事でウスノロじゃねえって事を証明して見せた」

「ハ、アンタから『信頼』なんて言葉が出るとは思わなかったぜ」



クク、と笑ってクロエは席を立った。





132-06.jpg

「クロエ」

「お断りだね。アンタの私怨ならアンタ一人でやればいい。
別に今のままでも仕事は回ってくるし連中だって干渉してこないんだろう?
厄介事に巻き込まれるのはご免だね」



そう言ってクロエがその場から去ろうとした時だった。
































「―――シャドウスケイル」






























132-07.jpg






























その言葉を聞いた瞬間、心臓を鷲掴みにされた気がした。




























132-08.jpg

「連中の後ろに奴らが居ると言っても、か?」


今、何て言った。


「シャドウスケイル。お前は良く憶えている筈だ、その名を」


憶えていない訳がない。
忘れられる筈がない。

何よりも、忌まわしいその名を―――。






132-09.jpg

「手伝ってくれるな」


有無を言わさぬ口調で、オレインは言った。
それは、クロエにとって呪いにも似た響きで聞こえた。
















注釈



●前大戦

オブリビオン・クライシスの事。
その影響は3年経った現在においてもシロディールの社会に大きな傷を残している。
かの大戦での死傷者は「黄金竜の奇跡」によって奇跡的に蘇った者もいたが、
その恩恵を受ける事が出来なかった者も少なからずいた。

特にグレート・ゲートによって破壊されたクヴァッチ周辺ではその影響は顕著で、
オブリビオンとニルンの境界の薄い場所では効力が弱まったのではないかとみる専門家もいる。



●いい返事だ、『ドントン』

食い詰め者の集まりの印象の強い戦士ギルドだが、ヴィレナ・ドントンの武名は高く
戦士ギルドの象徴的な存在となっている。



●スキングラードから取り寄せた特級品があるんですが

スキングラードはワインの原産地として有名。
誰もが一度は聞いた事のある「スリリー兄弟」もここに住んでいる。



●話さないのはタブーだからだ


ヴィテルスの死亡事件については戦士ギルド、ブラックウッド・カンパニー共に
公にしていないため現時点ではヴィラヌス・ドントンの名声に傷は付いていない。
しかしこの事件は戦士ギルドに対する大きな牽制となり、
後にブラックウッド・カンパニーが台頭する切欠となった。

オレインの他にもこの件について苛立ちを隠せない人間も勿論いるが、
シロディールの治安悪化による戦士の需要と依頼の増加によりそれどころじゃなかったりする。

もしくは、ギルド員が下手な行動を起こさない様にヴィレナがわざと忙しくさせてるのかもしれない。


・・・という毎度の捏造設定。



●アンタの私怨なら~

レヤウィン方面でのシェアの殆どをブラックウッド・カンパニーに奪われてしまった為
あながち私怨だけとも言い切れない。ブラックウッド・カンパニーは同業他社としても
見過ごせない存在である。

…と、オレインが考えているかどうかは不明。






今回使用MOD


●CTAddPose Bkasou V0.2

ポーズMODです。リンクは作者様のブログへ飛びます。
カードMOD企画雑談室で教えて頂いたのでさっそく使わせて頂きました。

RPブログを書いてる方が作者なだけあって「このポーズがあればなあ」という物が多数あり
すぐに惚れ込んでしまいました。ポーズ名が日本語なのも扱いやすくてGOOD。



●Ruined Tails Tale v3.0.1

日本語化ファイル

今後のストーリー展開に絡むのであえて細かく紹介いたしません。

今後、このMODのネタバレがギリギリ出てきてしまう可能性があるので
この先の視聴は一度プレイしてからにする事をオススメします。

というか今回一番見せちゃいけないネタバレを出してしまいましたが。

スカイリムも出る直前だし、そろそろこの話もやっていいかな、という事で。


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テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2011/10/15(土) 18:17:26|
  2. RP小説-戦士ギルド篇
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
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