TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【プレイ日記126】赤の瞳


126-01.jpg

「おう、戻ってきたか。小僧とは上手くやってるか?」

「やる事がない」

「あん?」

「今回の件、前回のレヤウィンの山賊退治も、全部アイツ1人で片付けちまった。
別にアタシが着いてなくても良いんじゃないか?」












126-02.jpg

「そんなにピンでやるショボイ仕事に戻りたいのか?」

「…何考えてるか良く分かんない奴だけど、あのチビは強い」



クロエもそこは認めた様だ。


「別にアタシと組まさなくても良いだろ」

「腕を持て余してる奴ならウチのギルドにはゴマンといる」



だが、オレインは言った。


「チームの意味を良く考えるんだな」

「…説教かよ」

「学びながら働けて幸せだろ?」



クロエは舌を打ったが、それ以上オレインに詰め寄ろうとはしなかった。
釈然とはしないが、オレインの言葉には歴戦の戦士のみが持つ言葉の重みを感じたからだ。
彼はクロエがギルド内で認める数少ない上司であると共に、一番苦手な相手でもあった。


「小僧をちゃんと見張っとけよ。あれはアカトシュの雛だ」


何かにつけ含みを持たせた言い回しをする癖も、クロエは苦手だった。


「アタシはあんまり頭良くないんだ」

「良く知ってるさ。だからよぉく考えるんだな」

「オレイン」

「そしたら、今のお前に足りない物も解る様になるかもな」

「・・・」


















***
















126-03.jpg

「気にしすぎだぁな。クロエは昔から誰にでもあんなんだ」

「そう?」



レオが聞き返すと、クルズ・グロ=バロスは「んだんだ」と顎を撫でさすりながら答えた。


「アイツはほら、鼻と牙がないだろ?」


そう言ってオークの戦士は自分の岩の様なワシ鼻と下顎から突き出た牙を指して見せた。


「クロエはゾクにゆー、アレだ、そう、ハーフって奴なんだべ。
どうだ、オラぁ難しい言葉知ってるだろ」

「そうだね」

「ぐはははは」


クルズは肉食獣の様に牙を突き出して笑った。


「だーから気を張ってんじゃねぇかなぁ。オークでしかもハーフときたら
あんまり良い目で見られないからなぁ」

「クルズさんもそう思うの?」

「オラもオークさ言うだけでお前さんくらいの頃にはよくいじめられたっかんナ。
気持ちは良く分かるつもりだぁよ」



中にはブルズの様な意地の悪い奴もいるけどな、とクルズは付け加える事を忘れなかったが。


「まぁツンツンしてるけんども、根はいい奴だから長い目で付き合ってやれや」

「うん。オークの人は口は悪いけど、気持ちの良い人が多いよね」

「がははは!坊主は素直だな!クロエに分けてやるといい。
アイツもまだ相棒がいた時には小娘みたいにめんこかったのになぁ―――」

「相棒?」



と、クルズはしまったという顔をした後


「そ、そういえば、新しい服はどうだよ?」




126-04.jpg

露骨に話をはぐらかしてきたので、レオも苦笑いしてそれ以上追及しなかった。


「すごく動きやすいよ。袖のあまる服だと立ち回りが忙しくて」

「一流の冒険者向け装備でざいなーのブランド物だでな。性能は保障済みだべ」

「そうなんだ、はじめて見る服だけど」

「・・・そりゃ、女物だかんな」

「え、今何て言って――」



と、レオが聞き返そうとした次の瞬間、眉間に青筋を立てた老人が二人に向かって走ってきた。


「息子がぁぁあああああっ!息子たちがあああああっ!」





126-05.jpg

「息子たちが農場を取り戻すために出ていってしまったーッ!
あそこには恐ろしいゴブリンが棲みついているというのにッ!
誰か息子たちを助けてくれーーーーっ!」


















126-06.jpg
















126-05.jpg

「誰か息子たちを助けてくれーーーーっ!」

「わかった、わかったから」


















***


















126-07.jpg

「落ち着いたかい、オディールさん」

「申し訳ない、年甲斐もなく取り乱してしまいました」



皺ばった顔につたう汗を拭いながら、オディール老は先ほどの非礼を詫びた。


「つまり、ゴブリンに占拠されたアンタん家の農場を取り返すために、
息子兄弟が連れ立ってゴブリン退治に行ってしまったと、こういう訳だ」



落ち着かないオディール老の気持ちを代弁するかの様に、オレインが
これまでの経緯をまとめて言った。


「恐らく息子たちは昔のワシの武勇を知って後からついてくる事を期待しているだろう。
だが、ワシももう歳だ。それに息子たちも従軍経験こそあるが今はまともな鎧ひとつも
装備しておらん状態じゃ。何か間違いがあってもおかしくない」



おおお、と泣き崩れそうな勢いでオディール老は顔を覆った。


「なるほど、状況は分かった。丁度今ウチも手の空いてるのが二人ばかりいるが…」


チラリとクロエ達を見て、オレインは言った。


「ヘン、少しは休めると思ったのによ」


と、減らず口を叩くのはクロエだったが、反してその顔は既に出かけ支度を始めていた。


「あぁ、確かにいい人だ」

「何か言ったか」

「別に」



言いながら、レオも立ち上がった、が


「前金で10、息子さんたちを無事に連れ戻せたら100ってとこだな」

「い、今は用意できないが必ず」

「報酬が約束されない仕事はしない、規約でそうなってるんでな」

「げ、現金は用意できんが息子達を助けたら家宝の剣を差し上げよう!それで―――」

「なまくらかどうかもわからん担保じゃ話にならんな。おいクロエ、寝てていいぞ」

「オレイン!」



クロエは叫んだ。






126-08.jpg

「どうした、早く休みたいんじゃなかったのか?」

「急ぎなんだろ?アタシ達はいつでも行けるぜ」

「クロエ、この爺さんは客じゃない。やる気の入れ所を履き違えるな」

「だけど!」

「ヒーローごっこは大概にしろ。ここはアリーナじゃねえんだ」



鋭い声で、オレインは言った。


「これから困ってる奴はみんなタダ同然で助ける気か?
次から勘違いした奴が次々来るぞ。ここは泣き落としが利く店だってな。
この手合いを安請け合いすりゃギルド全体が安く見られるのがわかんねえのか」

「っ・・・!」



オレインの理詰めに、クロエは何も言えず、奥歯を噛んだ。


「そういう訳だ、爺さん、悪いが諦めて―――」

「その家宝の剣て、強いの?」



と、オディール老を振り返ると、まったく空気を読まずにレオがそこにいた。


「も、勿論だとも。決して溶ける事のない氷の魔力がかかっておる」

「そんなに強いなら、自分で行けば良いんじゃ?」

「言った通りワシはもう往時の力の半分もない。付け焼刃程度の訓練しかしてない息子たちと
こんな老いぼれ3人ではあの数には適うまいて」

「おい新人」



オレインは言った。







126-09.jpg

「聞いてなかったのか?その爺さんは客じゃねえ」

「聞いてたよ。戦士ギルドはこの依頼を受けない。僕らもお爺さんを助けてあげられない。なら―――」







126-10.jpg

「仕方ないね」

「・・・!?」







「・・・オレインさん、身体の具合が悪いんで休みます」

「あ、あんだと?」

「少しお休みさせて頂きます。…だから、僕がどこで養生しようが関係ないよね」

「おまっ」

「お爺さん、案内して下さい」

「こっ、こっちですッ!」



オレインが怒鳴りつけるより早く、レオとオディール老はバタバタとギルドホールから飛び出して行った。








「あっはっは!」


あっけにとられたオレインを見て、クロエは愉快そうに大声で笑った。


「・・・おいクロエ、お前まで病気っつんじゃねえンだろな」

「アタシは、仕事さ」





126-11.jpg

だが、嫌らしく笑って、クロエは言った。


「アイツを見張らなきゃいけないんだろ?」

「ばっ、お前、それは」

「じゃ、行って参ります、てな」






126-12.jpg

「・・・やれやれ」


オレインが制止するのも聞かず、クロエは勇んで飛び出していった。


「甘いな、俺も」


否、止められなかったのだ。
クロエの笑い声を聞いた事など、何時ぶりだっただろうか。


「まったく、赤い眼をしたガキにはロクな奴がいねぇ」



ダンマーであるオレインの目も赤い訳だが、オレインはそんな事はおかまいなしに毒づいた。
彼はレオの冷めた視線―――それでいて燃える様な色の瞳の向こう側に。







オブリビオン・ゲートを前に不敵に笑う男の姿を―――確かに見たのだった。

















注釈




●あれはアカトシュの雛(ひな)だ

造語。正体不明の底知れぬ物のたとえ。
この場合のアカトシュはアカトシュ神本人の事ではなく、
オブリビオン・クライシス末期に帝都に現れた黄金竜の事を指している。

アカトシュはシロディールの守護神的な存在であるが、オレインは
決して好意的なニュアンスを込めて言っている訳ではない。



●オーク

Orisimer(オーク)は「迫害されし人々」という意味もあり、エルフや人間種との争いで
幾度となく祖国を失った非業の種族である。シロディールのあちこちでオークのBanditを
多く見かけるのもこれらの背景に少なからず影響を受けているのかも。
ただ、シロディールにおいては自分の荘園を持ったり伯爵に仕えているオークも少なからず
存在するのでその限りではないのかもしれない。

そうでなくてもオーク種は顔も悪くて口も悪いので嫌われがちな訳だが、これがハーフとも
なると物珍しさも手伝ってより奇異の目で見られる事になる。



●クルズ・グロ=バロス

戦士ギルドコロール本部所属。
上記の解説でわかる通り、彼の性格づけは天気輪の捏造。
こんなに話しやすいオークがいるわけがない(笑)



●袖のあまる服だと立ち回りが忙しくて

彼の戦闘スタイルが素手で防御手段がないためフットワークが重要であり、
また鎧を着た相手に攻撃を通すために大振りの一撃を多用せざるを得ないため。



●一流の冒険者向け装備でざいなーのブランド物だでな

ご存知、コロール西に居を構えるあのブランド店の一品。
扱う商品は機能・デザインともに優れており、多くの冒険者に愛好されている。

なぜクルズが女物の服を持っていたのかは深く考えてはいけない。



今回使用MOD

●UFF Robert Tona simple dress-armor v2.1

tona Simple Dress Armorの派生版。作者は別の方。
UFF体型とRobert体型に合わせた物・・・なのですが
ここでいうRobert体型とはRobertFemaleではなくRobertMaleBodyだったりする。
今回からのレオの衣装として使わせて頂きました。

腰部分がかなり細いので殆どの下半身装備は背中が破れます(画像ではポーチをつけて誤魔化してますが)
あと、引用しているバージョンが古いので、オリジナルのSDAと比べるとテクスチャの作りこみなどで
やや見劣りしてしまう所が難点か。

ちなみに本編で履いている下半身装備はこのMODに含まれている物ではなく、tona anchorite outfitの
下半身装備をそのまま使っています。






スポンサーサイト

テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2011/06/18(土) 10:54:24|
  2. RP小説-戦士ギルド篇
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<【プレイ日記127】未完の仕事【Unfinished Business】 | ホーム | 【プレイ日記125】不運な泥棒【The Unfortunate Shopkeeper】>>

コメント

オレイン氏のお父さん的な苦笑にでれでれ(´∀`)
口悪いし態度も悪いけど、ギルドやメンバーのためにいろいろ心砕いてる感じのお人ですよね。
癖も裏もありそうな新米ふたり相手に大変そですけども、どことなく楽しそうにしてらっしゃいますなー。

  1. 2011/06/21(火) 22:50:54 |
  2. URL |
  3. ウロ #z.VEhabY
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

>ウロさん

戦士ギルドは仕事をゴネてスネる様な不良みたいな連中ばかりなので
少し達観した雰囲気になりました。しかしオレイン本人も一癖ある人間だったりします。
  1. 2011/06/22(水) 20:28:10 |
  2. URL |
  3. 天気輪 #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kirinsasidchemistry.blog47.fc2.com/tb.php/239-c578c9d3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

天気輪

Author:天気輪
天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

Twitter@Tengkiring


このサイトはリンクフリーです。

カウンター

Visit:

Now Online:

検索フォーム

最新記事

カテゴリ

はじめに (1)
登場人物紹介 (4)
もくじ(RP小説) (3)
RP小説-メインクエ篇 (121)
RP小説-戦士ギルド篇 (15)
RP小説外伝-青鬼篇 (20)
RP小説外伝-しろメル篇 (11)
RP小説外伝-短篇 (2)
もくじ(自作MOD) (1)
自作MOD (20)
もくじ(その他) (1)
CS・ツール (20)
MOD紹介 (29)
他作MOD配布 (1)
Legend of Diva攻略 (5)
雑記 (53)
Fallout3/NewVegas (5)
他のゲーム (5)
戯言 (8)
事故創作 (1)
未分類 (0)

ブログ記事ランキング

最新コメント

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

World-Word-翻訳

英語English
韓国語 한국어
中国語 中文
フランス語 Franc,ais
ドイツ語 Deutsch
イタリア語L'italiano
スペイン語 Espan~ol
ポルトガル語 Portugue^s
Present's by サンエタ
英語English
韓国語 한국어
中国語 中文
フランス語 Franc,ais
ドイツ語 Deutsch
イタリア語L'italiano
スペイン語 Espan~ol
ポルトガル語 Portugue^s
Present's by サンエタ

Twitter

アンケート

無料アクセス解析

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。