TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【oblivion】The Battle for Castle Kvatch 4【プレイ日記18】

「クソッ、こんな所まで火の手が…!」

城内の惨状に帝国兵の1人が思わず悲鳴を上げた。


18-01

何とか隠し通路の入口に辿りついた俺達は、万が一に備えて通路を確保するとしんがりを
名乗り出たイニアスを置いて遂に城内を辿りついた。

「早めにケリを着けないといけないな。燃え落ちるかもわからんぞ」

煙にむせながら叫ぶ両手剣を構えた帝国兵の声が通路内に反響する。

「早くマティウスと合流しようぜ。上に出ないと煙たくてかなわねぇ」

「そうだな。伯爵もご無事だといいが…」


と、これはマーティンだ。


通路を登ると、丁度城門の向こう側へ登る事が出来た。
城門の向こう側からけたたましい戦いの音が聞こえてくる。


城門の向こうではマティウス達クヴァッチ騎士団がデイドラの援軍たちと戦っていた。

「マティウス!」


格子状になっている城門の向こうに彼の姿を見つけた俺が叫ぶと、
マティウスは相手にしていたスキャンプを斬り倒して俺の方へ向き直った。

「待ってたぞ!イニアンはどうした?」

「無事だ!出入口を確保している!」

「このままでは埒が空かん!城門を開けてくれ!横にハンドルがある!」


マティウスの言う通り、壁に備え付けられた重いハンドルを回すと
城門が鈍い音を立ててせり上がった。

それと同時にマティウス達が城内に飛び込む。
彼らが通りきったのを見計らって俺は弓を取り出し、追いすがるスキャンプ達を射掛けた。

1発、2発、命中。3発目を外した所で、弓を持った帝国兵が俺の前に出た。

「いい腕だ」

いいつつ、帝国兵は鋼作りの剛弓を放つ。生き残ったスキャンプの眉間に深々と矢が突き刺さった。

「だが、シロディールでは2番目だ」

そう言って兜の奥から白い歯を覗かせて笑う気障なこの弓兵に、俺は言ってろよと苦笑してハイタッチを交わした。


「死体だらけじゃないか!誰かいないのか!」


あと何匹いるのか、と気が遠くなるほどスキャンプを斬り払いつつようやく玉座へ辿りついたものの、
城内はあちこち燃え盛っており、壮絶な光景を催していた。

「これがクヴァッチ城か!何て事だ…」

クヴァッチ兵の1人が思わず悲鳴をあげる。
見る影もないが立派な城だったのだろう。自分の職場がこれだけ炎上していれば無理もない。

「…マジェラ、悪いが奥にいって伯爵を探してきてくれないか。我々はこの場所を確保する」

「…良いのか?マティウス」

「屋内で人数ばかりいても仕方あるまい。悔しいがこの中では君達が一番の戦力だ」

「解った。行って来る」







18-02

…とはいえ、今のままでも十分多いんですが。狭いから帰れよお前ら。





道程もやはりデイドラ達が巣食っていた。
無残に散らかされた赤い絨毯、ひしゃげた燭台、倒れ伏した宮廷の人々…
そして―――






18-03

「…マーティン」

「間違いない…クヴァッチ伯その人だ」


…間に合わなかった。
血の海に沈む伯爵を足元に、追従してきた若いクヴァッチ兵の1人が感極まって泣き声を上げた。















18-04

「よく戻ってきた!伯爵はどこにいるのだ?」

「マティウス、残念だが…」


俺がマティウスに伯爵のはめていた指環を渡すと、彼は全てを理解した様だった。

「…そうか、我々は間に合わなかったのか」

マティウスの深いため息に、一同は重い沈黙に包まれた。


「…せめてもの指環だ。新たな伯爵が封ぜられるまで、この指環は私が持っていよう」

ややあってから、沈黙を破る様にマティウスが口を開いた。

「今日は遺された者にとって辛い日となった。だが身の危険を顧みず、
我々を助けてくれた君達には心から感謝している。
マジェラ、それにエキドナ嬢、ありがとう」


そういってマティウスは着ていたクヴァッチの印章の入った鎖鎧を脱ぎ、俺に渡した。

「これを受け取ってくれ。微力だが魔法のかかった品だ。君の旅に役立てばいいが」

「マティウス…困るよ、騎士にとって鎧は剣の次に大事な物だろう?」

「情けないが、私も歳だ。戦いに疲れてしまったのだよ…鎧は使う者の元が一番いい。
 君は救国の英雄だが、クヴァッチは既になく、我が領には君の活躍を称えるこれ以上の品がない」

「…わかった。マティウス、ありがたく受け取ろう…」


どこか寂しい物を感じつつも、俺は素直にクヴァッチのキュイラスを受け取った。















18-05

「雨…やみませんね」

クヴァッチ城を後にした俺達は、もう一度その姿を振り返る。

城内からは未だに煙が上がっていた。今頃はマティウス達が消火にあたっているのだろうか。


戦いは終わった。

…が、そうして手に入った物はあまりにも少なかった。


「マジェラ」

「なんだよ」


無表情なエキドナが、珍しくどこか寂しそうな顔をしていた。


「何も手に入らない戦いというのも、あるのですね」

「そうだな…」


全く。
シロディールに渡ってからロクな事がなかった。
奇妙な夢。
皇帝の死と謎のアミュレット。
開かれた魔界の門。
オブリビオン。異形の魔物達、デイドラ。
そして魔界の住人ドレモラ。
その全てを統べるという、メエルーン・デイゴンの復活。


何もかもデタラメだ。
そのデタラメに、クヴァッチは真っ先に飲まれた。

…自分がこんなに正義漢だとは思っていなかった。
無残に蹂躙され、理不尽に殺されたクヴァッチの人々を見て、こんなに腹が立つなんて。






「糞ッ!!」

むしゃくしゃして、俺は傍らに倒れていたスキャンプの屍を蹴り飛ばした。
不徳だとは思ったが、どうにも怒りのやり場がなかった。





「…純粋な勝利で手に入るのは、枠だよ」





18-06

ぽつりと、それまで俺達の会話を静観していたマーティンが呟いた。


「…枠?」

「勝利で得る物は物ではない。物を得る為の枠だ。
望みの枠、選ぶ枠…勝ち取るという事は、己の明日を拡げることだ」






18-07


「マーティン…だが、俺は…」

「君は人がデイドラに立ち向える事を私たちに示してみせた。
あの忌まわしきゲートを閉じる事さえもだ」

「・・・」

「確かに私たちはクヴァッチの人々の多くを救う事ができなかった。
所詮、枠の外の事は人には叶えられぬ願い。
だが、枠の内では希望を得る事も出来た」


マーティンは穏やかな、しかし強い意思を秘めた瞳で俺を見て、言った。

「私達はデイドラを倒せる」

「…!!」

「…私とて未だに自分が皇帝の息子だなどと言われても全てを信じきれていないが…
君がクヴァッチの惨劇を再び見たくないというのなら喜んで力になろう――友よ」

「…マーティン」

「何、私も若い頃は随分悪い事ばかりしてきたし、司祭殿と呼ばれるにはお世辞にも
品行方正だとはいえない人間だがね…このままデイドラ達に人間が蹂躙されるのは
あまり気分が良くなくてね」

「あぁ…」

「君が勝ち得た枠をどう使うも君の自由だ。…友よ、君はどうしたい?」



なんだろう。
この男の言葉は妙に安心感がある。

胸の底で燻っているものをくすぐる様なマーティンの喋り方に、俺は思わず口元が緩んだ。


「そうだったな。行こう、ウェイノン修道院に」
















注釈



●クヴァッチのキュイラス

正直クヴァッチの家紋がでかでか入った鎧を恩人とはいえ風来坊によこすのはどうなんですか
マティウスさん。その格好で盗みでも起こしたら国際問題ですよ。

ちなみに、鎧自体の性能は残念ながらあまりよくない。


●純粋な勝利で手に入るのは、枠だよ

サーセン、元ネタは某ファンタジー漫画からのパクリ。
昨今では珍しく男女属性関係なく色んな人が楽しめる漫画と思うので未見の方は是非。


●この男の言葉は妙に安心感がある。

早くも王者の風格を見せつつあるマーティン、という事で。
フラグ?何それおいしいの








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テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2009/07/01(水) 14:51:40|
  2. RP小説-メインクエ篇
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Author:天気輪
天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

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