TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【RP小説】青鬼は泣かない #4【外伝】

G1_4-01.jpg









「・・・違うな」

誰にともなく、感想をこぼす。


ニルンに来てから2週間が過ぎたが、我は未だに身体のキレを取り戻せないでいた。

姿形こそ変わったが、筋肉に衰えはなく身体の欠損もない。
最初こそオブリビオンとは異なるニルンの冷たい空気に咳き込む事も多かったが、
月日の経過と共にそれにも慣れ、こうして身体を動かす事も苦では無くなった。


だが―――。


G1_4-02.jpg


二撃、三撃、打ち込みを繰り返す程その違和感を意識せずにはいられない。
今の我には、何か根本的な物が欠けている。

強いて言えば・・・「気力」がない。
全力を込めた一撃に満足を得られないのは、そこに集約される殺気が足りていないからだ。


生を受けて以来、こうして自己を研磨する時間を欠かせた日は一日たりともない。
目を閉じれば、想像上の強敵と命のやり取りをする事だって出来る。

だというのに何なのだ、この集中力の無さ、緊張感の無さは。


「戦場・・・実戦か」


闘争の空気。
生前の生活にあって今の生活にまったく無い物といえばそれだった。
そういえば、転生して以来未だ一滴の血も見たことがない。
赤い肌と共にこの身にまとった幾千もの修羅たちの血も一緒に流れ落ちてしまったのかもしれない。


「・・・打ち込みの時に思案など!」



己の雑念に喝を入れるべく、渾身の突きを放とうとした刹那、
その剣先に例の平和な間抜け面が顔を覗かせた。



G1_4-03.jpg

「すごいですね」


・・・またお前か、スキャンプ女。


「剣戟芝居の主人公みたいです」


木刀が鼻先をかすめたというのに、普段と表情が変わらないクッカマリアの調子に
我は自分の剣気が衰えている事を改めて実感した。


「・・・確かに、三文芝居程度の見世物だな」

「あ、いえそういう意味じゃ」

「この程度ではゴブリンも斬れぬ。以前の我とはまだ程遠い」

「カステットさんは強いんですねー」



クッカマリアは目を丸くしながら笑うという器用な表情を作って感心した。


「・・・闘争の為に生まれた命。定命の者とは比べ物にならぬ」

「身体が資本!ですね。よく解ります」



そう言いながら、彼女はうんうんと大きく頷いた。

・・・どうも苦手だ、この女は。
いつも論点がズレていて、話していて疲れる。
早々に会話を切り上げて鍛錬に戻るつもりだったが、
急速に気持ちが萎えていくのを感じ、我は木刀を下げ降ろした。





G1_4-04.jpg

と―――視線の気配を感じて修道院の方を振り返る。





G1_4-05.jpg

修道院の窓の方を見やると、人間の子供達が我らを見下ろしていた。

シグニー修道院長の話によれば、ここはナインを信仰する者達の教会施設であると同時に、
身寄りの無い子供達を引き取る「コジイン」の役目も果たしているという。

その行為に何の意味があるかは疑問だったが、とにかくそういう事らしい。

その為、小さき者達の視線を感じる事は珍しい事ではなかったが―――



「・・・」

見上げた拍子にふと目が合うと、定命の童(わらべ)達は逃げる様に窓から離れていった。


「・・・またか」


おかしな寺院だった。

口では受け入れると言っておきながら、この院の住人が我と目を合わせる事は無かった。
恐れる位ならば招き入れなければよかったものを。




G1_4-09.jpg

「人見知りしてるんですよ」


この女を除いては―――だが。


「・・・別に気にしてはいない。
自分達の縄張りに我の様な異物が紛れ込んでおれば当然の反応であろう」

「そんな・・・異物だなんて」



そう言ってクッカマリアは口をつむぎ、下を向いてしまった。





G1_4-10.jpg

(・・・何だ?)


・・・この女に至っては、何を考えているのかまったく解らなかった。
そもそも、我を最初に見付けたのがこのクッカマリアだと言うが、何を思って
我の様な―――奴らからしてみれば――異形を助けようと思ったのか。

もっとも、この女の薬草術のお陰で、随分体調を取り戻す事が出来た訳だが。
(彼女は野草に精通しているらしく、錬金術の心得があった)


急に静かになったクッカマリアの表情を見定めていると、
彼女はその視線に気付き、取り繕う様にスキャンプトークを再開した。


「あ!いやっ!!みんな、カステットさんに興味津々なんですよ。
ただ、ちょっと自分と違うから戸惑っているだけで、ねっ!?
えーとホラ、みんな違ってみんな良いって言うじゃないですか!違うかな?えーとっ」

「・・・」



早口でまくしたてながら、クッカマリアは熱弁する。

・・・別に馴れ合いたいなどとは一言も言ってないのだが。
この女の思考が良く解らない。何をそんなに必死になっているのだろうか。


「とにかく、その内きっと子供達とも打ち解けますよ!」

「私はそうは思えないがな」



クッカマリアの言葉に被せる様に、ぴしゃりと冷たい言葉が場の空気を征した。






G1_4-06.jpg

「子供達が怯えている。やはりお前は招かざる客の様だ」

「グンダさん、その話はもう以前決めた事―――」

「クゥ、私は『これ』と話をしてるんだ」



開いている方の目をギラつかせながら、隻眼女は言った。


「子供達の反応を見たろう。あの子達も本能的に気付いているんだ。
お前が危険な存在だと」

「・・・ほう」



自然と、口元が緩む。
―――嗚呼、この感じ。


「ならば、何とする」


こめかみの辺りにピリピリと歓喜が走るのを感じながら、我は問うた。


「安心しろ。私はここでは用心棒の様なものだ。院の方針に背く気はない。お前が食客として迎えられた以上、私もそう扱うさ」


・・・しかし。
言葉とは裏腹に、その瞳が放つ強い輝きは消えなかった。
「上からの指示があるからお前に手を出さないだけだ」とでも言いたげに。


「飼い犬に手を噛まれるとは言うが、さしずめ主人におあずけを喰らったという所か」

「仕事はするさ」



挑発に間髪入れずそう答え、隻眼女はサディスティックに笑った。




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「子供達は今の修道院での生活に不安を感じている。
私はガードとして信用を取り戻さなければならないな。
どこぞの馬の骨が1人紛れ込んだとて、この修道院の安全は揺らがないと」

「成る程。道理だな・・・それで?」

「使えるのなら、少し稽古に付き合ってもらおうか。
見せ掛けでないのなら、別に抵抗しても構わないぞ?」



・・・それでこそ





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「ちょ、ちょっと2人ともっ!?」

「安心しろクゥ。実剣は使わない。多少怪我はするかもしれんがな」

「我は真剣でも一向に構わんぞ」

「・・・フン」



その敵意に、身体中の毛穴から何か熱い物が吹き抜けていくのを感じた。

敵―――
戦うべき相手。
我らの血が最も求めるべきものが目の前にいる。

それが例え小さき者どもであっても―――それほどまでに、我は飢えていたらしい。
どこへ堕ち、何へ変わろうとも、やはり我はドレモラだ。


迫り来る闘争の予感に、我が胸は躍る様に高鳴っていた。
















注釈




●ふたぷらっ!!

PR記中かつてない女性率の高さだったので、悪ノリして「それっぽい」オープニングを作ろうと
していたのですが、ある程度出来上がったところで「うわぁ・・・」という出来になったので
自重しました。1枚目はその名残。


●窓の描写

画像加工です。実際には透けません。
そもそも擦りガラスっぽいし外の景色なんか元々見えないんじゃないかというツッコミは禁句。


●木刀

Akaviri Samurai Shopから拝借しました。
戦士ギルドなんかでもトレーニングしてる光景をよく見かけますが、訓練用の武器とか見ませんね。
クラウドルーラーのブレイド達はいつも真剣で殴り合ってますが良く考えたら危ないんじゃないか。。。

実際、剣の時代のヨーロッパってどうやって稽古してたんでしょうか。



使用MOD


●Nun wimple - modders resource v1.0

シスター風のフードです。

↑のリンクから落とせるファイルはテクスチャとメッシュのみのリソース(素材)なので
実際に使用するには自分でespを作成する必要があります。
装備部位はhairに指定して下さい。Headにするとちょっとしたホラーになります;

某動画で使用されていた物と多分同じ物だと思いますのでご存知の方も多いかもしれません。

実際に被ってみるとかなりタイトな作りになっている為、装備によっては首周りが
綺麗に表示されないかもしれません。

ウチではnifSkopeで若干大きさをいじってあります。




●Black Courtesan Dress v1.01

修道女達が着ている服がコレです。

オサレメモ様でリソース版が紹介されています。
こちらは現在公開停止になっていますが、↑のリンクはespも含まれている物でそのまま使えます。

内容は上半身・下半身一体のドレスと靴、フードのセット。
導入後は帝都のDivine eleganceで販売されます。Capes and Cloakでお馴染みの店ですね。

Vanillaの雰囲気を崩さず、高級感がありながらもシックなデザインなので色んな場面で使えそうです。
体型関係のクレジットが無いので、多分Vanilla体型用だと思うのですが手と顔以外は露出しないので
あまり気にしなくて良いかと。


直訳すると「黒い情婦のドレス」・・・ってどこがシスターなんだ(笑)



そういえば、今回「普通に修道服ってないのかな」と思い色々探してたのですが・・・


●Warrior Nuns v0.1

・・・ドレモラなんか見付けた日には即退治されそうです。


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テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2010/03/07(日) 00:01:05|
  2. RP小説外伝-青鬼篇
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
<<【雑記】メインクエ篇裏話とMOD作成 | ホーム | 【RP小説】青鬼は泣かない #3【外伝】>>

コメント

はじめまして

 こんにちは。はじめまして。
 これまでも読ませていただいておりましたがコメントさせていただくのは初めてになります。こちらにも度々御訪問いただいているようでありがとうございます。

 タイトルを見て一瞬何が起きたかと思いましたが、内容はいつも通りのようで残念なような、安心したような……。カステット卿が未だ不死身のままなのか、死すべき肉体を手に入れてしまったのかも含めこの先の展開に興味がつきません。
 でもGundaさん、貴女ももともと堕天したヴァルキューレだったんじゃ?(それは元ネタの話(爆))。

>普通に修道服
 Retmaさんのメイドアーマーリテクスチャにシスター服も含まれてますよ(軽装鎧&服バージョン)。BAB体型用ですけど……。

 それでは、今後ともよろしくお願いします。
  1. 2010/03/07(日) 19:41:11 |
  2. URL |
  3. あまね #EBUSheBA
  4. [ 編集 ]

 

ジェダイの剣技に精通している人がw
ちょうど木刀探してたんですが、侍ショップにあったんでした(汗
それにしても子供たちは興味深深ですね♪
ふたぷらっ!
  1. 2010/03/07(日) 22:06:34 |
  2. URL |
  3. かにうま #3IP1WHPs
  4. [ 編集 ]

Re:  

>あまねさん

はじめまして。
お察しの通りオブリ創作系ブログの先輩として何度か拝見させて頂いてました。
今後ともご贔屓にm(_ _)m

>不死身のままなのか~
シッ、ここじゃまずい。続きのエピソードを待ってくれ(某パラノイア)

Gundaさんには元ネタがあるんですね。てっきりセレクトショップのブランドから
来ている物だと思ってました。

メイドアーマーに修道服が…導入してたのに何故気付かなかったんだろうorz


>かにうまさん

女だらけの修道院で木刀振り回してるおっさんがいたら気になりますよね(笑)

ホントは木剣にしたかったのですが、Gundaさんがアレだし木刀があっても
おかしくないか、という事で。入れててよかったサムライショップ。

体調は万全になったにも関わらず、どこか以前と違う自分の身体に
カステットはとまどいを感じている様です。
  1. 2010/03/08(月) 22:49:42 |
  2. URL |
  3. 天気輪 #-
  4. [ 編集 ]

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Author:天気輪
天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

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