TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【プレイ日記120】 決意の朝 【Imperial Dragon Armor #8】


120-01.jpg


「マジェラ」

「なんだ?」

「竜の鎧を盗む必要はあったのですか?」

「ただの嫌がらせだ」

「・・・」

「マジカを練るな。何でもかんでも分かろうとするんじゃねえよ」

「・・・いつから読心術が使える様になったのですか?」

「俺は魔術師じゃねえよ」



けど、少しはエキドナの気持ちは分かる様になった。気がする。多分。









120-02.jpg

セレモニーが始まるまでの滞在期間の間に、俺はエキドナを使って
帝都から外に出るための抜け道を完全に把握していた。

もっとも、何もかも手探りだった訳じゃない。
俺がシロディールに辿り着いたあの日、夢で見た場所がヒントだった。

ウリエル帝が殺されたのは何故か下水道だった。
彼の護衛だったボーラスが下水道に詳しかった事を考えれば、非常時に城から外へ逃げ出すための
抜け道があると俺は踏んでいたのだ。

かくして、脱出経路とご褒美の鎧の在り処を把握した俺達は、
更に便利になったパワーアップしたエキドナの魔術を使って衛兵の目をくらまして鎧を奪取し、
シルヴィアンの尾行をまいて(ごめんな)帝都からあっさりと逃げおおせた。


「お尋ね者確定ですね」

「そうだな・・・けどこれで、あのモヤシ野郎も二度と同じ事は考えないだろ」







120-03.jpg

そんな事を話している内に、暗闇の向こうから清浄な空気が流れてくるのを感じた。















***


















下水道から地上に出て、まず最初に俺はその空気を腹いっぱいに吸い込んだ。
オブリビオンゲートから出るたびに、そうしていたあの頃の様に。






120-04.jpg

世界を見る。
そこには天井の空と、眼下の湖の青が広がっていた。

普段、何の気なしに消費していたその光景が―――今は、何か大切な事の様に思える。


















オブリ門2


















120-05.jpg

もう、この世界が百鬼夜行の行進と共に赤く染まる事はない。















「本当に行くのか」
















120-06.jpg

「確かにお前自身で決めろとは言ったが・・・他にもやり方があったんじゃないか?」

「ボーラス」

「オカトーはおかんむりだ。もうシロディールには戻れないかもしれないぞ」



木に背中を預けながら、ボーラスは神妙な面持ちで俺に言った。


「俺は、お前がどんな形にしろ、殿下と守ったこのシロディールに留まるのかとばかり思ってたよ。
やはり風来坊にはそこまでこの土地に執着はないか?」

「まさか。俺はここで色んな事を学んだ。マーティンにも、バードにも、マゾーガやアンタにも会えた」

「じゃあ」

「・・・なら、シロディールに英雄はいらねえよ」




『人は誰でも勇者になれる』

マーティンは、そう言った。
そう言った彼も、まぎれもなくその一人だった。
元は魔術師の道をドロップアウトした、しょぼくれた牧師。





75-05

だが彼は、その可能性を証明してみせた。

ただ、愛すべき人々が住むこの世界を守りたいという理由だけで。





75-14

だが彼は、言った。

歴戦の兵士すらあの異形の軍団に恐怖を覚え、怯えていたあの日。
数ヶ月前までただのしょぼくれた牧師だったあの男は、バラバラになっていたシロディールをひとつにしてみせた。


「デイドラがクヴァッチに為した事をブルーマにも行うことを許してもいいのか?

家々が焼かれるのを?同胞が殺されるのを?

ノーだ!

我々は戦う。今日、シロディールの全ての為に!」



それは、魔術の道から挫折した筈の男が唱えた、最高の魔法だった。





76-15

その勇気は最後の皇帝の英雄譚と共に、シロディール中に散らばっていった。
あの戦いは、どこか遠くの世界の英雄と悪魔の対決ではなく、シロディールの民全てが危険に晒され、
怯え、怒り、立ち向かった戦いだった事を、いつか人々は思い出すだろう。


なら―――もう英雄などいらない。
立ち上がる勇気さえあれば、人間はディードラすら倒せるのだから。






120-07.jpg

「それがお前なりに考えた『友の遺志』ってワケか」

「そんなに高尚なものじゃねえけどさ
・・・けど、誰かを生贄に差し出さなきゃもたない様な世界はもうご免だ」

「そうだな・・・だが、俺にはちょっと綺麗ごとすぎる気もするぜ」



ボーラスは肩眉を吊り上げながら、皮肉っぽく笑った。


「シロディールが皇帝家を失ったダメージはお前の想像以上に大きいぞ。
これからこの国がどうなっていくかはオカトー議長ですら予測できないだろう」

「何とかなるさ。それ位、あんな訳のわかんない連中に侵略されるのに比べたら屁でもないだろ?」

「とことん楽観的だな」

「それでもお前らがウダウダやってるんだったら―――」



呆れた顔のボーラスに笑いかけながら、俺は言ってやった。



「今度は俺がぶん殴りにきてやるよ」


ボーラスは何も答えず、ただ笑みを浮かべたまま親指を立てた。
















「・・・おい!居るんだろ、出てこいよ」

「こちらに」






120-08.jpg


俺が声を張り上げると、黒いフードの男が音もなく姿を現した。


「お気持ちは決まりましたかな」

「・・・あぁ。乗ってやるよ。あんたらの招待に」

「お、おい何だそいつは!?」

「地獄の使者さ」



突然、何もない所から現れた男に驚いたボーラスを、俺は冗談めかしてからかった。


「まことに遺憾ですが、あながち嘘とも言い切れませんな」

「何ぃ!?」



・・・アンタまで悪ノリするなよ。


「では、早速ご足労を。お迎えを用意してあります」

「迎え?どこにだよ」

「少し失礼を」




そう言って、フードの男は俺の首に何かをぶら下げた。

・・・見慣れた形だった。血の様に赤く光る、その特徴的な菱形は見忘れよう筈もない。






120-09.jpg

「こいつは・・・!?あの時砕け散った筈じゃ!?」

「酔狂にも、我が主がオブリビオンまで飛んできたいくつかの破片をかき集めて作り直したそうで。
原型こそ保っていますが、いささか紛い物も混ざった復元品でございます」

「・・・なるほどね、流石神様ってワケだ」

「我が主は凝り性な方でして。本来の力は失っておりますが、貴方様の手助けになる様趣向を凝らしたそうです。
・・・最後のセプティムのご友人である貴方がこれを見て何を思うかが楽しみだ、とも」






120-10.jpg

「・・・アンタの主とやらのそういう悪趣味な所がムカつくんだよな」

「だから来られるのでしょう?我が島へ」

「首を洗って待ってろって言っておいてくれ」

「よしなに。我が主もお喜びになるでしょう。
使い方はそのアミュレットを身に着けた瞬間にご存知になった筈。
ご無事の到着を、心待ちにしておりますよ」



そう言ってフードの男は、また音もなく姿を消した。








「そういう訳で行ってくる。まだ『英雄はどこだ』なんて言ってるボケジジイがいるらしくてさ」

「・・・落ち着かない奴め。寂しがり屋だから周りが放っとけないんだな?」

「うるせーよ」

「ま、それがお前の性分なのかもな」

「?」

「いつだったか・・・」






63-13

「殿下はお前を『風』と呼んだ」






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テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2009/12/23(水) 21:38:01|
  2. RP小説-メインクエ篇
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Author:天気輪
天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

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