TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【プレイ日記119】 風は未来に吹く 【Imperial Dragon Armor #7】

119-02


「剣、捧げッ!」


兵士達が一斉に剣を抜き放つと同時に、盛大なファンファーレが宮殿の庭に響いた。


「…元老院はこの一連の事件を『オブリビオン・クライシス』と名付け、その終了を宣言をすると共に、
この戦いにおいて特に活躍したブレイドの騎士『クヴァッチの英雄』を過去6人しか存在しない
伝説の『竜騎士』に任ずる事を発表。
本日正午より宮殿前にて叙勲式が行われる」














119-01

「特筆すべきはこのセレモニーにおいて城内の食糧が一般解放され、我々帝都市民にも無償でパンやワインが
振る舞われるとの事。

オブリビオンの襲撃以来、様々な武勇を轟かせた『クヴァッチの英雄』だが、恐ろしい悪魔達を滅ぼしたばかりか
我々の胃袋にも至福をもたらしてくれる英雄が今までいただろうか。
どうやら今後も我々市民は彼に頭を上げられないようだ」






119-03

「なにそれ?」

「今日の黒馬新聞の号外だ」


新聞の続きを読みながら、ボーラスは答えた。
その投げやりな反応にミリス=ルは少しいらつく。


「そんな事は解ってるさ。
『シロディールの竜騎士』の叙勲式は慣例としちゃ王宮で厳粛に行われる物だった筈だよ。
なんだってこんなお祭り騒ぎになってるんだい?」

「オカトー議長の政治的ジェスチャーだな・・・やっぱりルーキーを取り込む気か」

「シロディールの新たなヒーローのお披露目って訳ね」

「あぁ・・・。ルーキーは、もう城に入ったのか?」

「3日前に使いが来てベルダ邸から連れてかれたわ。・・・妙にすがすがしい顔で行っちゃったけど」

「はぁ?」

「一応、シルヴィアンが張り付いてるけど・・・分かってるのかしら、あの英雄さん」



ミリス=ルがため息をつきながら復興に沸く街並を眺めていると、遠くから
見覚えのあるダークエルフの少女が走ってくるのが見えた。





119-04

「ボーラスさん!大変です!」

「シルヴィ?!」


必死の形相で猛ダッシュしてきた姉妹の姿にミリス=ルは驚いた。
日頃は土いじりと植物との対話をこよなく愛し、諜報活動でも沈着冷静さを見せる
彼女が、ここまで取り乱した姿を見せるのは久しぶりだったからだ。


「シルヴィアン・・・お前、ルーキーの監視してた筈じゃ」


おそるおそる、ボーラスもシルヴィアンに声をかける。
驚いたのは彼も同様だった様で、「走るシルヴィアン」という貴重な光景を見て目を白黒させていた。

シルヴィアンはしばらく肩で呼吸していたが、息を整えた後、ガバッと顔を上げて彼らに言った。









「撒かれました!いないんです!城のどこにも!」

「「何ぃ?!」」
















***

















119-05

「随分派手にやっておるの」

一方その頃、セレモニーに沸く帝都の様子を宮廷から見つめる、2人の老人の姿があった。


「この1年、民衆はオブリビオン・クライシスという長い重圧の下にいたのだ。
これ位しても文句はあるまい」

「Champion Of Cylodillの叙勲式と同時でなければ、な」


ジョフリーは眉をひそめながらオカトーに言った。


「シロディールの竜騎士の称号の授与は本来厳粛に行われる物のはず。
何故こんなお祭り騒ぎにした、オカトー」

「言ったろう。シロディールの民は疲弊しきっていると。
セプティム朝が崩壊した今、この国には新たなヒーローが必要なのだ」

「・・・なぁ、オカトーよ」



盛り上がる市民達を冷めた目で見つめながら、ジョフリーは語りかけた。




119-06

「英雄、皇帝・・・彼らを勇者と呼び祀りたてる事にワシは異議を唱える気はない。
だがお主は、陛下のご遺志やあの若い騎士の未来までワシらの尻拭いに当てる気か?」

「マーティン『殿下』なら彼が皇帝となる事に異議を唱える事はない筈だ。
英雄も、他の誰かに任せる位ならそれを望むだろう」

「やはりそれが狙いか、オカトー」






119-07

「彼はしばらく元老院で預からせてもらう。ブレイドではどうだったか知らないが、
竜の騎士ともなればそれなりの格式と礼儀を覚えてもらわなければならんのでね」

「囲いこんで洗脳する気か」

「今のは旧友のよしみで聞かなかったことにしようか。
もし何か思う事があるならば、早々に議会での貸しを返してもらいたいものだな。
剣ならともかく、円卓で騎士如きに遅れを取る気はないよ、マスター」

「貴様・・・」

「この戦乱で国力は疲弊しきっているが、幸い帝国軍本隊は無傷に近い。
今こそかの英雄を帝位に据え、遠征を再開する必要があるのだ」

「・・・何を言い出すかと思えば。ワシはそうはならんと思うがの」



ジョフリーはオカトーを睨み付けながら、しかし口の端を歪めて笑う余裕を見せた。


「あれはシロディールの外からやってきた天性の暴れ馬だ。お前さんに乗りこなせるかの?」

「何を言うかと思えば。私がさっき言った事を忘れたのかね?いかな騎士でも円卓の前では…」







119-08

「議長っ!オカトー議長!」


と、その時、宮殿の衛兵が慌てた顔で走ってきた。


「ほほう、早速オカトー政権初の不祥事かの?」


楽しそうに皮肉を飛ばすジョフリーをオカトーは睨み付けたが、
特に何かいう事もなく、平静を装いながら衛兵に向き直った。


「一体何事だ。重要なセレモニーの前だぞ」

「そっ・・・その・・・セレモニーの・・・」



衛兵は何とか伝えようとするが、帝国軍の重い鎧を着たまま全力で駆けてきたせいか
息が上がって言葉が続かない。
オカトーは苛立って衛兵を怒鳴りつけた。


「ええい、一体何があったというのだ!」

「ですからっ!セレモニーの、鎧がっ!」

「・・・なに?」



無理矢理呼吸を整えて、衛兵はもう一度、言った。


「ないんです。シロディールの英雄に与えられる『帝国の竜の鎧』が盗まれましたっ!」















***

















119-09

~帝国軍本部 武器保管所~





119-10







119-11

『オカちゃん、気持ちだけもらっとくわ
                  ~マジェラ=ライオット~』


















「はっはっは!」

堪えかねてジョフリーは吹き出した。


「だから言ったろう、お前さんに乗りこなせるタマではないと」

「貴様の仕業か、ジョフリー!」

「ワシは何もしておらんよ。何ならお前さんの得意な情報戦とやらで好きなだけ背後を洗えばよかろう。
ただ、あの若いのは聞かん坊でのう。ワシもよく手を焼かされたものじゃ」


しらじらととぼけながら、ジョフリーはふと、思い付いた様にオカトーに言ってやった。


「あぁ、そうか、円卓の上で『しか』お前さんは無敵ではなかったか。
これは一本取られたのう」



オカトーは長い耳をてっぺんまで赤くさせ、呆然とそのやりとりを見ていた衛兵を怒鳴りつけた。


「衛兵!何をボーッとしておる!さっさと追わんか!」

「えっ・・・しかし相手は英雄どのでは・・・」

「国宝級の鎧を盗んだのだぞ!立派な逆賊だ逆賊!いいからさっさとついて来い!」





119-12

オカトーは衛兵に怒鳴りつけ、足早に宮廷を後にした。




119-13

「・・・ほっほ。それだけ元気があればかりそめの王など要らんだろう、オカトーよ」

それを見送りながら、ジョフリーはひとりごちる。

もう少し穏便にやれんかったのか、あの若造は。
逆賊になって一体どこへ逃げる気だ?
・・・まぁ、とりあえずオカトーに一泡吹かせてやろうなんて、らしいといえばらしいが。


「若さ故の無謀、じゃの」


そう言うジョフリーの表情は、だがマジェラに落胆している訳ではなかった。
その無謀が、シロディールで初めてオブリビオンゲートを封印した男の原動力であった事も確かなのだから。

季節風の様にふらりと現れたあの男は、ただの正義感だけで恐ろしいディードラと真正面から戦い、
その姿に人々は希望を見出した。「クヴァッチの英雄」と。


「いや・・・大嵐の配達人<テンペストブリンガー>とは良く言ったものじゃな」


英雄が危機に突然現れ、大儀を為した途端に風の様に去っていくのはタムリエルの歴史の中ではいつもの事だ。
それはモロウィンドでも、ダガーフォールでも・・・そしてシロディールでも。

あの若造も、その類にもれなかっただけの事だろう。





119-14

「さぁ、次は―――どこへ行くつもりかの、若いの?」













注釈



●剣、捧げっ!

スイマセン、出来心でやりました。
ちょっとしたファン(としての)サービスという事で。
昇進おめでとうございます。


●羊皮紙

インベントリから捨てると回収できないバグはPC版でも健在なのですね…。
演出の都合でSetscaleで2倍の大きさにしてあります。

英語は適当。要約すると

「オカトー、気持ちだけで俺は充分だよ・・・なんてな!
プレゼントはもらってくぜ!フヒヒサーセンwwww
シャドーハイチュー!」


●ジョフリーに貴族服の組み合わせが似合いすぎる件

みすぼらしいカッコばかりしてたので気付きませんでしたが、
ここにきてジョフリーの魅力を再発見。後半のSSがじじい祭りになってるのは多分気のせい。


●タムリエルの歴史の中ではいつもの事

の様ですが、人それぞれかもしれませんね。
RPGでメインクリア後もゲームが続いていくのは初プレイ時は新鮮でした。


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テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2009/12/21(月) 20:17:47|
  2. RP小説-メインクエ篇
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

お邪魔致します。

もうOcatoさんが悪だくみーなポジションのようでw
Councilの人間のように大人しく言う事を聞く人間ばかりではないという事を理解しておくべきだったのかもしれませんねえ・・・

Parchment(羊皮紙)のネタですが、
小馬鹿にしているメッセージが書かれているものと仮定して、
ターゲットと羊皮紙をすりかえる、
という似たような事を私も以前やってましたw

今は逆に盗人をこらしめる側にまわっていますけどね(・∀・)
  1. 2009/12/22(火) 00:30:42 |
  2. URL |
  3. Kirsche #-
  4. [ 編集 ]

更新楽しみにしてましたわんっ

マジェラの書き置き、おちゃめで好感度UPですw
じさまNPCにオシャレをさせると予想外にダンディorチョイ悪になりますよね。
最近は渋いじーさんをメイクするのも楽しみの一つです(・∀・)
  1. 2009/12/22(火) 02:03:32 |
  2. URL |
  3. かにうま #-
  4. [ 編集 ]


まさかのシャドウハイチュウw
手書き文字と自画像がオカトーさんおちょくる気満々ですね。自画像がかわいい(*´∀`)
貴族服着てるジョフリーは後ろのちょこんとした髷までも高貴に見える……

>テンペストブリンガー
愛剣の名前がここで来るとは!って、ちょっとしてやられた気分です
  1. 2009/12/23(水) 03:33:55 |
  2. URL |
  3. ウロ #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

>Kirscheさん

実はマーティンのお父さんのウリエル帝も色々してきたみたいなので
セプティム家も大概の様なのですが、話が複雑化するのを避ける為カットしました。
その辺の帝国の暗部はオカトーに担ってもらっています(酷)
憎めない小悪党でいてほしいという個人的な理想も入っていますが。

>ターゲットと羊皮紙をすりかえる
それを見たレックス隊長が「おのれグレイフォックスめ!」と
悔しがるというオチですね、わかります(違)

色々遊びがいのあるアイテムですね。回収不可能なバグは何故起こるんでしょうか・・・。


>かにうまさん

やはりオブリの花形はおっさんですね!
コンパニオンにおっさんがいないのでたまに作ろうかなと思ったりもするんですが、
NPCに魅力的なおっさんが多すぎるせいでいまいち作る気になれない罠。
私も渋いおっさんをメイクしてみたいです。


>ウロさん

あれを描いたのはマジェラなのかエキドナなのか私も悩んでいます(何)
ジョフリーは正面のイメージが強すぎてあんまりマゲを気にした事がなかったんですが、
ちょっとお洒落なおじいちゃんみたいな感じで可愛いですよね。

>テンペストブリンガー
いかにも伝説の勇者みたいな剣にはしたくないけど、いわくありそうな剣がいいなぁ、
と探していた時にこのMODに出会いました。
一番付き合いの長い武器ですが、Vanilla装備とも違和感がなくて
とても良いデザインだと思います。

「嵐の運び手」とかそういう訳にした方が妥当だとは思うのですが、Yahoo!先生の
「大嵐配達人」という妙な脱力感がある翻訳が気に入ったりしてます。
  1. 2009/12/23(水) 20:40:07 |
  2. URL |
  3. 天気輪 #-
  4. [ 編集 ]

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Author:天気輪
天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

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