TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【プレイ日記116】 予期せぬ宿泊 【Imperial Dragon Armor #4】

116-01

「…夜遅くてすまないって?いやいや助かるよ。
 最近は復興ムードで観光客が来ないからね。盗賊どもでもいいから来て欲しかった所だよ。
 もっとも、奴らがまたここで悪さをするなら今度こそ俺の手で血の海に沈む事になるだろうがn」

「いいから。」












116-02

結局、俺はエキドナに連れられて帝都に一泊することになった。
確かにこの雨でベルダ邸まで帰るのは困難だろう。

この時間に空いていた宿屋はブローテッド・フロートだけだった。





116-03

「・・・っくし」

走っていたから気付かなかったが、大分身体が冷えていた。
俺が鼻をすすっていると、船室の薄い壁がコンコン、と鳴ってから、「マジェラ」と隣室のエキドナの声が聞こえた。





116-04

「服を乾かしておきました」

「早いな」

「少し焦げたかもしれません」

「・・・」

「部屋の前に置いておきましたので」

「ああ」

「これから着替えます」

「ああ」





116-05

「・・・マジェラ?」

「なんだよ」

「まだそこに居たのですか。やっぱり覗きの趣味が?」

「アホかっ」




壁を蹴飛ばして、船室から出ると几帳面に畳んだ俺の服がちょこん、と床に置いてあった。
焦げてはなかったが、まだ少し暖かかった。


「・・・お前の冗談はわかりづらいよ」


魔術士がそうなのか、エキドナだけがそうなのか。
そんなどうでもいい事を考えながら乾いた服を着て、俺は1階の酒場に上がった。






116-06

「いらっしゃい英雄。パンとぶどう酒でよかったかい?」

「俺は聖人じゃねぇよ。水をくれ」

「それはそれで欲がないね。それとも飲みすぎたのかい?」

「・・・まぁな」


ホントは飲む気にもなれなかったからだが、オーミルはただ笑って
銀のコップに水を注いで差し出してくれた。


「…素直に嬉しいな。あんたがまたウチに来てくれるとはね」

「あん?」

「風の噂で聞いてたよ。ゲートを潰して回る若い男女の話さ。ビビッときたね。
 これはアンタらの事だなって。一介の冒険者とばかり思ってたが、あんなにエラくなっちゃ
 ウチみたいな場末の宿にはもう来てくれないだろうって思ってた所さ」

「・・・そんなに大したもんじゃねえよ」



ボソリ、と呟いた俺を見て、オーミルは怪訝な顔をしてみせた。


「・・・誰か大事な人でも亡くしたかい?
例の『奇跡』で生き返らなかった奴もいたって話だが」

「まぁ、な」



むしろ、その『奇跡』を起こした男の事だが。


「頼んでねぇっつーの。俺の為に、周りの人間の為に身を投げ出して死んだ。
仕方ない事だったって言う奴もいる。
・・・けど、何度もあの時の事を思い出すんだ」






110-13

「あの時俺が動いていれば。
あの時俺があいつの所に走っていれば、マーティンは死ななかったんじゃないかって」



あの時動いていたら―――だが、やっぱりデイゴンを倒す事は出来なかっただろう。
マーティンのあの最後の一手がなければ。

だが・・・


「随分ぐるぐるしてるみたいだな、アンタ。英雄も人の子か」


薄く笑いながら、オーミルが言った。


「…エルフって連中は嫌味な奴しかいないのか?」

「俺はいいエルフさ。何故って、酒の味が解るからな」



しらっと俺の嫌味を流しながら、オーミルは言葉を続ける。






116-07

「仕方ないさ。死んだ奴の事は。
俺たちは誉めてやるか泣いてやるしかできない。
だが俺たちは生きなきゃいけない。そういう想い出を糧に変えなきゃいけない。
でなきゃ、死んだ奴の思い出って奴はずっと俺たちの足を引っ張り続けるからな。
死んだ奴の為にもだ。
俺は、亡霊ってのは生きてる人間の記憶が作り出すもんだと思ってる」

「・・・」

「あんたの言うマーティンさんがどこのマーティンさんだか知らないが、
そんなにいい男だったなら亡霊にしちゃいけねえよ」

「・・・簡単に言ってくれる」

「『それが出来たらとっくに立ち直ってる』勿論だ。
それが出来ないから、人間は酒を発明した」



そう言ってオーミルは、愛嬌のある顔で笑ってボトルを見せびらかした。


「今日はおごるよ・・・と言いたい所だが、飲みすぎたならアンタにゃもう充分だろうな。
甲板に上がりな。雨はもう上がってるよ」

「甲板?」

「ウチは夜空を眺める位しか他にサービスがなくてね。
だが忙しくシロディールを駆け回ったあんたにゃそういう時間も必要だろうよ。
・・・一緒にボーッとしてくれる女の子がいるなら、最高じゃないか?」



言いながら、オーミルは俺の肩越しに立つ人物にウインクしてみせた。




116-08
















***


















116-09

いつかもここで考え事をしていたな―――そんな事を思い出しながら、甲板に出た。

確かあの頃はまだ春だったか。
夜景が綺麗に眺められるのは相変わらずだったが、冬の訪れを知らせる肌寒さを感じた。

流石に何もかも同じ――という訳はないか。当たり前だが。





116-10

「・・・以前もここで、少し話をしましたね」


同じ事を考えていたのか、エキドナが俺が思っていた事と似た様な事をつぶやいた。


「下水道でアミュレットを拾った夜だったかな。あの時はこれ以上首を突っ込んでいいか悩んでたよな、確か」


神託の様な不思議な夢。
それに導かれるままに拾ったあのアミュレット。物語は否応なしに回り始めた。
そして俺たちは―――


「仕方ないですよね」

「仕方ねえなぁ」



そう言って自ら渦中に飛び込んだのだった。


「・・・随分前みたいに感じるのにな」

「人は幸せだった頃ほど遠い物に感じると聞きました」



いつもの無表情で、エキドナはそう言った。


「マジェラも、そう思いますか?」

「あん?」

「今より、あの頃の方が良かったと思いますか?」







116-11

「・・・そうだな。あの時首を突っ込まなけりゃ、こんなにしんどい思いはしなかったかもな」


ハードな物語だった。

皇帝の暗殺、王者のアミュレット。

異形の存在、デイドラ。破壊の神の地、オブリビオン。

特務部隊ブレイド。疑心暗鬼にかられる領主たち。

多くの人の死。クヴァッチ。

カステット。ドレモラの闘将。強敵たち。



得た物もたくさんあった。

マゾーガ、バード、マティウス、ター=ミーナ、エルダミル。共に戦ってきた仲間。


今までの旅とは根本的に違っていた。

「仕事相手」でも「依頼人」でも「利害が一致している相手」でもない―――
デイゴンとの戦いを通して純粋な「仲間」を得た。






長い戦いだった。
あのたった一晩の決断をしていなければ、こんなにしんどい目には遭わなかった。
・・・だが、あいつにも会うこともなかった。

マーティン。
初めて訪れた地の、最初の友達。

誰よりも側で、一緒に戦ってきた。
あいつが後ろに居てくれれば、何が相手でも負ける気がしなかった。





「じゃなきゃ―――」


こんなにも、苦しい筈がない。
関わらなければ、得られなかった物もたくさんあった筈だけれど。




116-12

何のための、戦いだったのだろう。


マーティンは、竜になり――――
結局俺は、一番守りたかった物を失い、また一人になった。
















注釈




●ブローテッド・フロート

インペリアルシティ港にある水上旅館・・・といえば聞こえはいいが、
一般帆船をシロディールのスタンダードである酒場兼宿屋に無理矢理改築しただけの場所のため、
利用客の一般的な評価は「観光受けはしそうだが、タダの船なので寝心地は最悪」とのこと。

オーナーであるオーミル氏は以前、マジェラとエキドナが宿泊した際に盗賊団に襲撃された所を助けてもらった恩がある。
詳しくは予期せぬ航海編を参照。

ちなみに、この事件が当ブログで取り扱ったの最初のクエストでした。
しょっぱなから洋ゲーの容赦のない選択肢の洗礼を受けた回で、「ロールプレイ無理だ!」と
投げ出しかけたものの何だかんだで今に至ります。
何気にあの回このブログで一番カオスだった気が。

オーミルの「俺の手を彼らの血で染めたくはないからな」は名言。
そしてカウンターに立つといつも頭が天井につっかえてるという。狭い所が好きなんでしょうか。


●やはり覗きの趣味が?

予期せぬ航海1を参照。

今のエキドナはおおらか過ぎるというか、あの頃のエキドナの方が人間くさかった気が。



●SSのミス

久しぶりにやっちまった…
気にしなければ大丈夫。うん、気にしなければ。







今回使用MOD

●Clothes And Underwear for HGEC ver2.1

毎度お世話になってます、tonaさん印の装備MOD。
名前通り服と下着のセットが入ったチェストがブルーマ城に置かれます。
設置場所が城内というのは珍しいかもしれませんね。

最新版でワンピースが追加されたので、最初はコレ目当ての導入だったんですが、いざ装備してみたら
ギリギリアウトだったので今回は見送り。

またデフォルトの野生児下着を使うのもどうかなぁと思ったので
こちらのMODに入っている下着を使わせて頂きました。
入っているというか、むしろメインですが…

オブリでリリースされてる下着MODは超勝負下着!という感じのものが多いんですが、
こちらは比較的シンプル。でも近くで見るとレースの書き込みが凄かったりします。

気付いたらエキドナの装備はバックパック以外すべて国産品になっていたという罠。

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テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2009/12/07(月) 22:08:53|
  2. RP小説-メインクエ篇
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

あう、懐かしい宿屋が。
ちょっと昔にウォーターフロントの住人諸君には消えてもらったから利用できないかもw(リスポしてるか

覗きの趣味、といえば
ウチの若いデイドラが女性二人の入浴シーンを覗いていてSSがボツになったのを思い出しましたw
ある意味ネタかもしれないですねw
  1. 2009/12/08(火) 02:18:13 |
  2. URL |
  3. 画竜点睛/件 #-
  4. [ 編集 ]


あーこれ最初のクエストだ(*´▽`) と懐かしみつつ。
あのときから比べると随分、遠くに来てしまった感じですね。マジェラ。
横顔がやるせない。後ろに立つエキドナもやるせない。

>奴らがまたここで悪さをするなら今度こそ俺の手で血の海に沈む事になるだろうがn
とりあえず目の前の、変な髪形のエルフを血の海に沈めたくなりました
  1. 2009/12/08(火) 22:28:17 |
  2. URL |
  3. ウロ #-
  4. [ 編集 ]

おじゃまします~

下着姿のシーンで、
某スクランアニメを思い出しました(・∀・)
ええいっ!この甲斐性なし!みたいなw

オイラもExhouseの温泉の雰囲気に触発されて、
JR普通列車に揺られながら、ぶらり温泉旅してきましたw
  1. 2009/12/09(水) 10:54:04 |
  2. URL |
  3. かにうま #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

>件さん

そういや虐殺して回ってましたね…市民もリスボーンするんでしょうか?

果たしてドレモラに覗きの習慣はあるのかどうか・・・。
ところで女性のドレモラって本当にいるそうですね。私はまだお目にかかった事がありませんが。



>ウロさん

私もRP記がこんなに長く続くと思いませんでした(笑)
「予期せぬ航海」は実は結構お気に入りのクエストで、プレイする度にやってしまいます。
やっぱり旅の始まりは酒場で乱闘か盗賊退治という事で。
クエスト後にここを通りかかると色々思い出すプレイヤーも多いのではないでしょうか。

>リアルモンクハイエルフ

変な髪形のエルフ、手を汚す前にいつか頭がコリジョンを突き破って奈落に落ちないか心配です。


>かにうまさん

某~は見た事ないです、すいません;
最初のクエストの再現という事で、ポロリも今やったらどう撮るか…という事で作ってみました。
裸になっても壁がある。そんな感じが出ていれば。


>Exhouseの温泉の雰囲気に触発されてぶらり温泉旅

いいなぁ。お疲れ様でした。
ところでそれって混よk(ry
  1. 2009/12/09(水) 21:38:00 |
  2. URL |
  3. 天気輪 #-
  4. [ 編集 ]

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Author:天気輪
天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

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