TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【プレイ日記110】 紅く染まる街で 【Light the Dragonfires #10】

110-01


「走るぞ、マーティン!」

「あぁ!」


血と怒号と剣戟の音で埋め尽くされた戦場を俺とマーティンが走る。
デイゴンが馬鹿みたいにデカいせいか?
神殿の入口までの道のりが妙に遠く感じられた。










「友よ!デイゴンの正面から行くのか!?」

「反対側はゲートで塞がれてる!なに、こんだけの人数だ、奴だっていちいち―――」







110-02

目が合った。
クソ、図体のくせしてなんて勘のいい!

「友っ!」

「止まるなマーティンっ!」



言いながら、俺はデイゴンを誘い込む様に前へ躍り出た。
マーティンは鎧下すら帯びてないのだ。目をつけられたらアウトだ!


「こっちだ!神様気取り!」


俺が声を張り上げて挑発すると、デイゴンは足元を見下ろし、
その巨大な斧を再び振りあげた。

「初動さえ見えれば・・・っ!」





110-03

デイゴンの凶悪な一撃を、その場で飛んでかわした。
その風圧が鼻先をかすめ、耳が破れそうな轟音が俺を襲ったが、何とかダメージは免れた。
見切れない攻撃ではないが、デイゴン自身の重量も加わり暴風のような一撃だった。
帝都兵の重鎧ではかわすのは無理だろう。





110-04

「いいぞ、友よ!」

短いやりとりだったが、幸いにもマーティンは俺の指示を冷静に判断してくれていた。
俺が稼いだ数秒の間に彼はデイゴンの脇を駆け抜け、神殿の入口近くで俺に向かって叫んでいた。

「よし、今の内に―――」

態勢を立て直し、俺も神殿へ走りだそうとした瞬間――――

フッと、頭上が暗くなった。

「しまっ―――――」





110-05

頭上から巨大な足が落ちてきた。
俺は何とか身をよじり、踏み潰される事だけは回避できたものの、
柱の様なデイゴンの足に、肩口をまともに砕かれた。

「っ・・・おおおっ!?」

力とか技の問題ではない。
ただ、暴力的なまでに重い。
アカヴィリ独自の製法で作られた、硬くかつ弾性のあるブレイドの鎧を着てなければ
半身を持っていかれていたかもしれない。

とはいえ、気持ちいいくらい嫌な音がした。
動けるか――――俺?

俺は痛がる身体を無理矢理引きずり起こし、頭上の破壊神を見上げた。





110-06

――――笑ってやがる。

デイゴンの表情は傍目にはさながら石像の様に変化に乏しいものだったが、
今の俺にはそんな風に見えた。

そして、デイゴンはその笑みを讃えたまま再び斧を――――





110-07

と、その時デイゴンの顔に何かが投げつけられたかに見えた瞬間、
奴の目の前でパッと光が弾けた。

『~~~~~~っ!?』


その眩さにデイゴンはドレモラの様なしゃがれた声でうめいた。
あれは・・・光源魔法か?


「5秒も保ちません!」






110-08

・・・お前か。
こちらを向いたエキドナと目が合ったのでよくやったと笑いかけると、奴は「早く行け」と
目で返してきた。


「やれやれ」


相棒の気の無い返事に苦笑いしながら、俺は悲鳴を上げる肩を抱えてマーティンの元へ走った。















***















「若いのを守れ!デイゴンに反撃の間を与えるな!」


ジョフリーが弓兵たちに怒鳴ると、デイゴンに向けて一斉に矢が放たれた。
効果がないのは今までの攻撃で実証済だが、何らかの気休めになると信じたい。

マジェラとマーティンが神殿に入っていくのを見ながら、ジョフリーは同じく
主の姿を見守る少女に声をかけた。





110-09

「・・・着いていかなくて良いのかの?」

「まだ怪我人が増えるから、こちらに残れと」

「ほう?」

「顔が言ってました」

「ほほ、若いのには勿体無い娘さんじゃ」

「いつもの事です」

「じゃが・・・今日はその器量、少しワシらに貸してくれぬか」

「勿論、彼に出来ない事をするのが私の使命ですから」

「当たり前じゃ」

「?」

「あの無鉄砲が今までどうやって生き延びてきたか、ワシには解っておる。
・・・ワシはあんたにあの若造の代わりをしろと言ってるのではない。
あんたもまぎれもなくワシらの戦友の1人だからじゃよ」

「・・・私はマジェラの従者です。それ以上でもそれ以下でも」

「そうじゃな。ワシが勝手に思ってるだけじゃ」

「・・・」

「考える時間が欲しい様じゃの。だが、それには少しやる事が残ってるようじゃ」

「・・・その様ですね」
















***















110-10

「いててて・・・」

「すまんな、エキドナ嬢ほど治療系は鍛えてなくてね」



言いつつも、マーティンは俺に手早く回復魔法を唱えた。
確かに初級の術の様だったが、その分詠唱にかかる時間も少ない。
全治とまではいかないものの、痛みはかなり和らいだ。





110-11

神殿の中は、円周を描く様に柱が立っているだけで、がらんどうになっていた。
治療を終えたマーティンは、何事かぶつぶつと呟きながら、神殿内の柱や床を調べ始めた。


「・・・はじめて来たけど、いやに質素なとこだな」

「かつてはこの中央にドラゴンファイアが燃え盛っていた。ここはその為だけの神殿さ」



そう言って、マーティンは神殿の中央に立った。




110-12

「・・・やはりそうか。ここは九大神の力が蓄積されたパワースポットなのだな」

「パワー・・・何?」

「君も呪いや毒を解く為に、教会で神の祝福を受けたことがあるだろう?
この場所はあれと同じ役割を果たす場所なんだ」

「けど、祭壇はないみたいだが・・・」

「この神殿そのものが祭壇の役割と言っていい。そして、祭壇そのものが必要ないんだ。
何故なら、この神殿はドラゴンファイアの儀式を行い、それを守るためにだけ作られたもの」

「普通の教会じゃダメなのか?」

「神は人々の信仰心が高まるほどタムリエルにおける影響力を強くする。
とりわけこの帝国神殿は九大神信仰の総本山とも言える場所、いわば全ての信徒たちの信仰が集約するところだ。
つまり、九大神の力はこの地において最も強く発現させる事が出来る。
そして教会の様に神の恩恵を受けられない代わりに、この場所にはそうして蓄えられた
アカトシュの力を行使する為の膨大なエネルギーが眠っているんだ」

「ドラゴンファイア用の火薬庫って事か?」



俺の例えに苦笑しながら、マーティンは輝くアミュレットを握り締めてうなずいた。


「言い得て妙だな。そしてその着火剤が、このアミュレットという訳だ。
このアミュレットを身に着ける事が出来るのはセプティム家の人間だけ。
さしずめ私は火の守り番というところだな」



マーティンはそこまで言い切った後、何故か口を閉じて俺の顔をじっと見た。





110-13

「・・・マーティン?」


気のせいだろうか。
一瞬、マーティンが首から下げていた王家のアミュレットが輝いた様な。


「・・・友よ」


と、マーティンが再び口を開いた。


「私はようやく自分が何の為に生まれてきたか判ったよ。
君ならクソッタレな運命と言うかもしれないが」

「何の話をしてるんだ?」

「神の与える選択肢は時として残酷だ。
・・・だが、私はあえてそれに乗ろうと思う」



何か、嫌な予感がした。
全身がマーティンを止めろと警告していた。
なのに――――身体が動かない。


「私は君たちに出会えた事を感謝している。

不謹慎かもしれないが、私はクヴァッチの悲劇が起こるまで
心が熱くなることも、暖かくなる事も忘れていたようだ。
戦いしかなかったが、君と過ごした時間はとても満ち足りたものだった。

だから私は思う。
これはセプティムとして生まれた私の義務ではなく、権利だと。

神に授けられた使命やさだめではなく、心の底から今この力を使いたいと思える。

―――私は短い間ながらも、良い友人を持った」


















110-14

「だが行かなければ。竜が呼んでいる」














>>111話へ
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テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2009/11/09(月) 23:04:37|
  2. RP小説-メインクエ篇
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天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

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