TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【プレイ日記98】 簒奪者キャモラン 【Paradise #15】






会話が終わったと見るや、キャモランの側に控えていたルーマとレイヴンが襲いかかってきた。


「英雄!」

「マジェラだ!」



同時に連中の意図を察したエルダミルが、俺の背中に回り込む。
組織で暗殺や侵略の実行計画を立てていただけあって、
彼は魔術だけではなく戦闘にも長けていた。


「ミエミエなんだよっ!」

「混沌たるマナ、ドレモラの牙、顕現せよ短剣ッ!」






98-01

阿吽の呼吸で、俺は魔法で姿を変え飛びかかってきたレイヴンを、
エルダミルは詠唱しながら突撃してきたルーマをそれぞれ斬り裂いた。








「何だよ、口ほどにもねぇ」

「気を付けろ、英雄、彼らはこんなものでは」

「だからマジェラだっつーの」

「いいから聞け!一度は君に敗れたとはいえ彼らは師の子供達。この程度では済まない筈だ」

「何言って―――」







98-02

「なるほど。これがクヴァッチの英雄の実力という訳か」

「ッ!?」



振り返ると、先程倒した筈のルーマとレイヴンが何事も無かったかの様にそこに立っていた。
馬鹿な、確かに致命傷だった筈―――!


「忘れたか、ここが我が父の作りし楽園であることを」

「タムリエルで果てた信徒の魂はここでは不死者として甦る。それは私達とて同じこと」

「例え貴様の剣が神をも殺せたとしても、私達は何度でもよみがえる」

「それがこの楽園の理」



ルーマとレイヴンが交互にそう言った。
じゃあ何度倒したって無駄だってことか!?


「動けなくすれば同じ事です」


刹那、ボキッ、という嫌な音と共に、レイヴンが悲鳴を上げた。






98-03

「あ…足がッ…足があっ…」

「何度でも甦るなら、死なない程度に動けなくなるまで痛めつけましょう」

「お前エグいこと言うねぇ…」

「前回ひとつもセリフが無かったので頑張りました」

「…そのキャラも久しぶりだな」



だが、エキドナの言うことも一理ある。
不死とは言っても傷は負うのだ。それならこちらにも賞賛が無い訳じゃない。
と、その時―――


「いかん、みんな散れッ!」






98-04

エルダミルが叫ぶと同時に、激しい雷光が空間を引き裂いた。
キャモランの雷撃魔法だ。


「貴様らが劣勢である事に変わりはあるまい!
不死の僕たちと我が奥義の数々、とくと味わうがいいわ!」



そうこうしている内にルーマも態勢を建て直し、先程まで地ベタでもがいていた
レイヴンも若干足を引きずりながら立ち上がってきた。
キャモランが護衛とする為に何かしたのか、この2人は普通の不死者たちと違って
ドレモラ以上の回復力があるらしい。


「クソッ、どうする・・・?」

「あの2人は私達で足止めしよう。その間に君は師を」

「おいおい、さっきの魔法見ただろ?俺1人でやれってのか?」

「死んだ者だけが不死者になるのがこの『楽園』の理。
ならば師は不死者では無い筈だ。何より、魔術で師と戦うのは分が悪い」

「確かに、あれだけの術者を相手に魔法で戦うのは難しいかもしれません」

「なるほど!俺も魔法使いだったら良かったぜ!」



お陰でとんでもない貧乏クジを引かされてしまった。


「奴らを動けなくしたら私達もすぐに駆けつける。そこで師を、キャモランを一気に叩く」

「それしかないか…!」

「仕方ない、ですね」

「そうだなッ!」






98-05

俺達は一斉に飛び出し、思い思いの敵に斬りかかっていった。














***

















98-06

「死ね、裏切者!」

「不毛な事を言う。私も君たちと同じだと言う事を忘れたか」

「貴様達が言ったことよ。死ぬより悲惨な姿にしてやろう!」



そう言ってレイヴンは魔法の大剣を振りかざしたが、同じくエルダミルが召喚した
魔法の短刀にやすやすと受け止められた。


「何ッ…そんな物でッ…!」

「確かに大きい得物の方が破壊力も大きい…が、魔力の武器が質量だけでは
決まらない事をもう忘れたのかね?
君にはキャモランの名前は大き過ぎる様だな」

「裏切者の分際でッ…!」

「…英雄曰く、『過去は背負うもの』なのだそうだよ、レイヴン。
だから私はもう一つ先に前進したいと思う」

「何ッ?」








98-07

「もはや私は『裏切者』ではなく、『敵』だ、神話の暁よ!
ここにいるのは、一切の躊躇なく君達を滅ぼす者だと知れ!」















***
















「炎よ!」

「雷鳴よッ!」



エキドナとルーマが同時に放った魔法が、互いにぶつかり合い激しい光と共に対消滅する。





98-08

「貴様が英雄の従者か…報告ではただの癒し手だと聞いていたが」

「マジェラに出来ない事をするのが私の仕事ですから。必要ない事は普段してないだけです」

「過ぎた力と言う訳か、出来た人形だ。奴にもそんな趣味があったとはな」

「私はただの従者です。それ以上でもそれ以下でも。
それに、私は人形ではありませんし、彼を愚弄するのも頂けませんね」






98-09

「…少し、私にも意思があるところをお見せしましょうか」

「・・・っ!?」















***

















98-10

「Lightning Blast!!」

「無理無理無理ッ!!」



一方、俺はキャモランの放つ魔法から逃げ回っていた。
いや、あんなの喰らったら壊れちゃうよ、俺。


「先程の勢いはどうした、英雄!」

「クソッ…!」



生まれつき目に魔力が宿っていることも幸いしたのだろうか。
反射神経だけでも何とか奴の魔法をかわす事が出来るお陰で、
俺はギリギリ黒コゲにならずに踏み止まっていた。


「所詮セプティムの犬か。無力なナインの庇護の下ではこんなもの」

「うるせえ!何かセプティムに恨みでもあるのかアンタ?」



必死で頭を回転させて、俺は何とか奴にぶつける話を見つけ出した。
時間を稼いで乱れた呼吸を整える腹づもりだ。

どうやらキャモランにとっても気を引く話題だったらしく、
奴は自尊心たっぷりの仕草で両手を広げながら口を開いた。

「あるとも―――奴らは我が一族にとって仇敵。
貴様の主が先帝の忘れ形見である様に、
私もまた、亡国の王の後継者なのだから」

「何だって!?」

「貴様が少しでもこの世界の知識があるなら…聞き覚えはないか?
『牡鹿の王』―――いや、貴様らには『簒奪者』という名の方が有名か」







98-11

「『避難民』?ディードラとなんか関係あるのか?これ」

「少し気になってね。ヴァレンウッドというウッドエルフ達の故郷の話なんだが…」

「大昔の紛争以来無政府状態になってるあそこか?」

「約160年ほど前だな。突如デイドラの軍勢を率いて現れた古代王国の王を名乗る男が
20年近くにわたる恐怖政治でヴァレンウッドを支配していたという記述が残ってるんだ」

「デイドラの軍勢?…なんかデジャヴを感じるな」

「結局、この王の出自は良く解らなかったがね。今調べている事ともあまり関係なさそうだ。
だが、気になる事がもうひとつあってね・・・その王は盛んに近隣への侵攻を行っていた事や
デイドラの軍勢の力を盾にひどい圧制を強いていた暴力的な統治からこう呼ばれていたんだ。
『牡鹿の王』、あるいは『簒奪者―――」






98-12

「―――簒奪者キャモラン」

「そうだ。彼こそがハイマン・キャモラン。
タムリエルに初めて国という存在を打ち立てたキャモラン王朝の正統なる後継者。

だが新たに勃国した帝国はかの偉大なる王国を攻め、キャモラン朝はしばし
奴らの傀儡政権と成り下がっていた。
そこへハイマンは再び立ち上がり、デイドラの軍勢と共にヴァレンウッドを席巻した。
…だが、我が父はハンマーフェルの叛乱と憎き帝国によりまたしても打ち倒された」

「父親だって?」

「そうだ。
セプティムが不出の子として貴様の主を遺した様に、ハイマンもキャモランの血を絶やしてはいなかったのだ。
そう!我が名はマンカー・キャモラン!
偉大なる『牡鹿の王』にしてセプティムから全てを奪いとる『簒奪者』の正統な後継者なり!」



キャモランはまるで世界の王を僭称するかのごとく高らかに宣言した。


「…それで、その『簒奪者』の息子がもう一度デイドラ共を連れて何をする気だ?」

「愚問よ。偉大なる簒奪者の血脈たる我のするべき事はひとつ!
憎きセプティムを打ち滅ぼし、奴と九大神が作り上げたこの偽りの世界を破壊する。
弱者は世界から一掃され、旧世界の凡愚たちは一様に精錬の火によって清められるのだ!」

「なんだと?」

「もはやタムリエルは奴らにとって都合のいい『正義』で塗り固められたまがい物の世界にすぎん。
だからこそ破壊する。すべてをな!
そして世界は再び、キャモラン朝だけが唯一の王国だった時より始まるのだ!」

「世界が滅びたら王国も何もねぇだろうが!」

「その為の『楽園』だという事がまだ解らぬか。
ここは浄化されたタムリエルを新たに支配する、選ばれし者達を集めた『箱舟』よ。
九大神とセプティムに毒されし凡愚どもなど我が王国には不要。
ならば不要なる者どもは淘汰されるべきだ。無論、貴様もだ、英雄ッ!」



刹那、キャモランの手から再び雷撃がほとばしった。















注釈



●キャモランの雷撃魔法だ。

思ったより上手く加工できたので一応…画像はMODではなく写真加工で
後から入れた物ですので念の為。
実際に魔法を唱えてるシーンはどうしても狙った構図で撮れないもので…

ちなみにLightning BlastはOblivionに実際にある魔法ですが、こんなに激しくないです。
キャモラン的な何かが働いていると解釈して下さい(何)


●キャモランの出自

今回のキャモランの動機づけについては完全な創作ですが、
彼の出生に関しては実際にゲーム中でうかがう事のできる設定です。

ゲーム中に出てくる「避難民(原題は『The Refugees』)」という本にマンカー・キャモランが
『簒奪者キャモラン』の妾の1人が生んだ息子である事がほのめかされています。
メインクエが進むとマーティンの勉強机(?)の上に何とはなしに置いてあるので
興味のある方は既に日本語訳も終わっている様ですので是非ご一読を。


●ヴァレンウッド(Valenwood)

タムリエル南西に位置する大森林地帯。
この地に流れ着いたアルドマー達はその環境に適応する為に長い年月を経て心身を変化させるにつれ、
いつしかボズマーと呼ばれる様になる。
後のウッドエルフの誕生である。

タムリエルの有史、つまり1st Eraはヴァレンウッドから始まるといっても過言ではない。
この地にEplear王によって樹立されたCamoran Dynasty(キャモラン王朝)はタムリエルで初めて
国の形をなした王国だからである。


●キャモラン王朝(Camoran Dynasty)

便宜上こう訳しました。もう少しよい解釈があれば教えて下さい…

ヴァレンウッドに存在した世界最古の古代王国。
一時はシロディール(帝国)とも同盟を結んだ事があったものの、帝国において預言者マラークの教えが
普及し始めるにつれ、帝国とキャモラン朝の対立は再び激化し、長きに渡り争いを続けてきた。

最終的にはかの九大神タロスの生前の姿である皇帝タイバー・セプティムの侵攻によって
打ち滅ぼされた。
その後ヴァレンウッドは各地に自治権を与える事で事実上分割され、キャモラン朝の王も
帝国の傀儡として存命させるなどその力は急速に衰えていった。
その代わりにヴァレンウッドは250年に渡り平和な時代を謳歌することが出来たものの、
帝国の権威が増長するにつれ、ヴァレンウッドのボズマー達は次第に憤慨していく様になる。



●簒奪者キャモラン(牡鹿の王キャモラン)

3rd Era 249年、失われたキャモラン朝の王を僭称し、突如としてヴァレンウッドに現れた
謎の多い人物。強力な軍勢とデイドラを率いて現れた彼は瞬く間にヴァレンウッドの侵略を開始した。
その余りの恐怖にヴァレンウッドのボズマー達は逆らう事が出来ないか、或いは暴力的では
あるものの、帝国の占領下から解放してくれた彼に感謝する者まで現れ、ヴァレンウッドは
あっという間に彼によって征服された。

その後簒奪者キャモランはヴァレンウッドの外に目を向け、度重なる侵略活動を行ったものの、
征服した領土のひとつであったハンマーフェルの叛乱をきっかけにその勢力は崩壊し、
簒奪者キャモランは力の座を失うことになる。

簒奪者キャモランが残した爪跡は深く、ヴァレンウッドは激しく荒廃してしまった。
もともと先の帝国による自治権の分割によって孤立主義的な気質をますます強めていた事もあり、
もはや国家としての体をなさぬ土地となってしまった。
人々は帝国などの支援や地方の指導者からの導きも、何も信用しなくなり、都市部を離れて
初期の伝統に還って森林での生活を志向するようになっていった。

ヴァレンウッドは現在も依然として不安定な土地であり、多くの人々はこの地を政治的意義のない、
単なる名前だけの土地として認識している。部族会議も何十年もの間行われていない事からも、
戦いに疲れたボズマー達はこの問題を放置している様である。




…この辺の伏線もう少し張っておけば良かったなぁorz




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  1. 2009/10/14(水) 20:06:00|
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天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
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