TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【プレイ日記95】 フレンドリーファイア 【Paradise #12】

…我ら『選ばれし者』は並の人間より明晰だ、と師はおっしゃった。
私自身もその自負はあった。
今のセプティム朝の九大神信仰を打ち倒し、現実的な『力』を持つディードラを
神に頂き、世界の革新を目指すミシックドーンの教義に私がひかれていくのは
時間の問題だった。

何よりこの世で初めて私の才能を見出してくれた師への感謝の気持ちもあった。

ディードラ魔法を邪悪とする愚物どもから告発され、アルケイン大学を追放された
私の研究を始めて認めてくれたのがマンカー・キャモランだったのだ。
彼は我らの指導者であり、師であり、父であった。







95-01


自身の理想と師の教えこそが私の全てだった。
ディードラの力によって物いわぬ神に感謝を捧げる愚かな民たちと腐敗した帝国の統治を
一掃し、真に聡明な物たちによる世界を築き上げる。

…私にとって我らに同調しない者は全て敵だった。無知で愚劣な連中だった。





95-02

そして私はオブリビオンの最初の侵攻地としてクヴァッチへの攻撃を提案した。
実際の計画にも参加した。
彼らに勝ち目はなかった。我々は彼らの不意を突き、最初の攻撃で城壁を破った。
その後は、ドレモラ達によって愚民たちが粛清され、クヴァッチは新たなタムリエルにとって
はじめて浄化された地になる…筈だった。

…その時まで私は理解していなかったのだ。メエルーン・デイゴンという神を。
彼の思想に忠実なデイドラの軍勢を。

それは完全なる暴力。
クヴァッチに現れたデイドラ達は男も女も子供も老人も関係なく、目につく物を全てなぶり殺しにした。
粛清などという生易しいものではなく、それは一方的な虐殺だった。





95-03

…しかし、それでも彼らは戦い続けたのだ。死に物狂いで。
愚かで無知で脆弱なだった筈の彼らは、勇気ひとつのみで強大なデイドラに立ち向かった。
互いを助け、支え合い、クヴァッチを守ろうとした。

人の世を見限って久しかった私にとって、その光景は感動的ですらあった。
彼らはこの堕落した俗世を命がけで守ろうとしている様だった。

・・・だが、戦局は圧倒的だった。
クヴァッチは陥落し、私は残党狩りの為に民家を暴いて回った。

そして、私は地下室に潜んでいたクヴァッチの住民に八つ裂きにされ、そのまま死んだ。
油断していたのだろう。
…だが、すぐにその住民たちも私の仲間に殺された。

薄れ行く意識の中で私は考えた。彼らの苛烈な抵抗は一体何だったのだろうと。
しょせん生身の人間が強大なディードラの軍勢に適う筈が無いのだ。
何故抵抗できる?
無知ゆえの蛮勇か?姿すら見えぬ神々への盲目の信仰からか?





85-03

そうして私はこの『楽園』に転生した。
私には考える時間は山ほどあった。

私は考えた。
絶望的な脅威を目の前にしてなお立ち向かった彼らの力の源は一体なんだったのか?
彼らは本当に死に値するほどの愚者だったのか?
…私が力を求め、世界を変えようと理想を抱いた理由は何だったのか。





95-04

考えて、そして後悔した。





95-05

私は人を救いたかった筈なのだ。
私の様に、世界から認められない人々を。自らの知恵と力によって。
そして、世界が人を捨てたのではない。
私が世界を見捨てたのだ。




95-06

…不死の身にとって、後悔は永遠だった。














***
















95-07

「…それで罪滅ぼしの為に…って訳か」

「私の手は血に染まりすぎた。
もはや何をしても贖罪など出来ぬ事は誰よりも解っているつもりだ。
だからこそ君にいままでこの事実を伏せてきた。
正直に話して、私を信じて着いて来てくれる訳がないからな…」

「…そこまでして、俺に奴を討たせたかったのか?」

「逆だ。私には師を倒す事は出来ないからだ。だが英雄、君ならあるいは…
フフ、笑ってくれてもいい。
かつて己は誰よりも明晰だと信じて疑わず、信徒以外の者を愚か者と見下してきた
私がよりによって仇敵に頼むのだからな」



エルダミルは自嘲する様に笑い、そして俺に首を差し出した。


「ミシックドーンは、タムリエルに仇為すものは残らず刈り取られなくてはならない。
さぁ、遠慮なく斬り捨てるがいい。
私の協力が必要なのはもはやここまでだろう、英雄。
あとは君が師を打ち倒すだけだ。」

「そうしたらお前は救われるのか?」

「これは救済ではない。私の罪で、罰だ」

「…」

「己は世界を救う為に戦っていると信じていた…だが、今は違う」

「…最初に言ったよな?『俺の力になりたい』と。
それから俺は言った。『ナインではなく、俺に誓え』、と」

「あぁ…」

「なら約束は守ってもらうぞ。ナインならお前に罰を与えるのかもしれないが、
俺とはキャラモンをぶちのめすまで付き合ってもらうからな」

「生きて罪を償えということか」

「目が覚めたなら卑屈になるなって言ってんだ」

「…君は私を許すというのか?」

「…許しゃしねえよ」



そう言って―――
俺はエルダミルを思いっきりぶん殴った。

95-08













「許しゃしねえよ。
お前はマーティンの親父を殺した。クヴァッチを焼いた。
お前がやった事は絶対に無くなりゃしないんだ。
クヴァッチの連中は例えお前が死んだってお前の事を絶対許したりはしないんだ」



首を差し出した位で許される筈がない。
あの惨状を。
あの惨劇を。あの時クヴァッチに居た者なら誰もが忘れないだろう。

シロディールが悪魔たちによって踏み荒らされた最初の日。




95-09

「っ…」

「今更私が間違ってました?ふざけんじゃねえよ!
キャモランが皮肉りたくなる訳も解るぜ。
自分じゃ責任取りきれねぇから後の事は強い奴に託して自分は死のうってんだからな、
自称天才革命家くんよ」

「・・・」

「誰よりも明晰?世界を浄化する?
どんだけ思い上がりなんだよ?ふざけんじゃねえよ。
そんなふざけた事を言ってのける様な奴が―――」


















95-10

「―――今戦わなくてどーすんだよ」

「・・・何?」

「誰よりも優れてるんだろう。世界を救えるんだろう?
そんな大ボラ語れる奴が何みみっちい事言ってやがる?」

「だが―――」

「『今までやってきた事は間違いでした!』」

「・・・!」

「解るか?
お前の頭は本当に明晰なんだよ。それすらもちゃんと認める事が出来たんだからな。
だったらお前には解ってる筈だ。
まだお前に出来る事。死ぬ事だけじゃ無い筈だ」

「…一度は破壊神に魅入られた私にまだ何か為せと」

「―――俺が最初にシロディールで出会ったトモダチはな」






95-11

「そうやって、俺と一緒に戦ってきたんだぜ。
いきなり運命を押し付けられてな。
正直俺だって最初は怖かった。デイドラなんて得体の知れない連中だ。
だけど、俺達は戦ってきた。
俺は、しらみ潰しにゲートを潰して腕を鍛えて…
アイツは、思い出したくもない記憶を引きずり起こして。アンタと同じ、ディードラの魔法を使ってな」



彼がいなかったら俺は今頃どうしていただろうか?


「帝国もディードラ魔法を・・・そうか、それで楽園に」

「だからアイツは俺を楽園へ送り込んだ。俺に剣になれと言った。アイツと一緒に戦う剣に。
そのために俺はココに居る。ディードラとかナインとかどうでもいい」

「・・・だが、私が邪教の手先であった事には変わりはない。
シロディールの民は私がおめおめ君の情けを受ける事を許さないだろう」

「だから、許さねぇって言っただろ、エルダミル?」





95-14


「ここで自分だけ死んで楽になろうなんて絶対に許さねぇよ。
約束通り『最後まで』俺の力になってもらうぜ」

「…英雄」

「アンタが誓ったのはナインじゃない。俺だ。
それに、この世界を救う…俺がやってる事も、アンタが目指した物も一緒の事だ。
一度挫折した位でスネてんじゃねえよ、自称天才。
もしアンタが約束を果たして、もう一度理想を追うのなら―――」















95-16

「これからアンタに文句を言う奴も、俺がぶん殴ってやるよ」

「――――」















95-15

「…やれやれ、とんだ見込み違いだった様だな」

「あん?」

「君は英雄と呼ばれるにはいささか甘い男の様だな。いつか寝首をかかれるぞ」

「もう少し冷静なら、英雄呼ばわりされる事も無かったかもな」

「同意だ。まったくもって甘い。…だが、甘美でもある」



エルダミルはそう言って、立ち上がった。


「君の甘言に乗せられるとしよう、英雄。
…どうやら、君の提案はナインに罰を請うよりも現実的な様だ」

「お前ら向きだろ、ミシックドーン?」

「言うな。最早私は過去の生き方には囚われぬ。何せ、明晰だからな」

「口の減らない奴だ」

「その分、私の力は君の為に振るわせてもらおう」






95-12

「誓い、確かに果たそう。君が新しく与えてくれた私の誇りにかけて。
感謝する――――『友』よ」

「…『友』、ね。こんな所でそのフレーズを聞けるとはね」



そうだ。
彼は待っている。俺の勝利を信じて。

始まりは不可思議な夢と下水道で拾ったアミュレット。
何も解らないまま全ては始まった。















83-06

だけど―――今は、確かに交わした約束がある。
この地で出会った、はじめての友と。














95-13

「―――さぁ、終わらせようぜ」













注釈



今回は長文ばっかでスイマセン;
何とか1回に収めようとしたら尺が伸びる伸びる…


●エルダミルの懺悔

ゲーム内でのセリフを見る限りでは単純にデイドラの残虐さにドン引きし、
それを相手に立ち向かったクヴァッチ市民を見てそれまで見下していた
凡人たちの勇敢さに心を打たれて後悔した、というのが彼が教団を裏切った
真意の様ですが、日常的に生贄を捧げてる組織に入ってる割には偉い
人道的すぎる気がしたので脚色を加えました。

ミシックドーンの人々が『真の神であるディードラをタムリエルに迎えて聡明な人間たちによる
正しい世界を作ろう』、と信じているのは確かだと思うんですが、一般信徒がどういう動機で
あの狂った教義に従ってるのかいまひとつ謎ですね。
彼みたいに良心の呵責に耐えかねて裏切る人間もいるところも見ると
みんながみんな狂信者という訳ではないと思うのですが。


●…しかし、それでも彼らは戦い続けたのだ。

お久しぶりのマティウス隊長。
画像はイメージです。クヴァッチファイブなんてヒーローはいません。


●考えて、そして後悔した。

画像はミシックドーンが主に崇めているディードラ、メエルーン・デイゴンの像。
4つの腕に鬼のような顔を持つというまさに破壊神といった解りやすいヴィジュアル。
それにしてももうちょっと本人に似せれんかったのか。


●俺がぶん殴ってやるよ

なんというか…光源詐欺という言葉の意味がはじめて解りました(笑)
ボカシ以外は画像にほぼ手を入れてません。ほぼゲーム内そのままの顔です。
光源と角度だけでこんなに顔が変わるってどういうことなの…これがオブリマジックですか。

多分こんな顔もう二度と撮れないな・・・;

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テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2009/10/11(日) 23:23:49|
  2. RP小説-メインクエ篇
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

テンション上がってキタ

男の友情!拳で語り合う!
そしてGoGo!Kvatch Five!

今回のエルダの独白は、本編やってると共感できる部分が多いですよね。
ザックリ倒してナンボのクエストが多めのoblivionでも、それぞれの心中ってきっと訳ありなんだろ~な~って思う時が多々あります。
  1. 2009/10/12(月) 13:15:59 |
  2. URL |
  3. かにうま #-
  4. [ 編集 ]

はじめまして♪

いまさらながら、初めてコメントいたします。
いつも楽しく拝読させていただいております。oblivionの世界観をそのままに構成されているので、毎回楽しみにしております。
僕もやってみようかと思ってはいますが、あと一歩が中々踏み出せません(笑)
お忙しいとは思いますが、最後まで書き続けてくださいね♪
ありがとうございました。

  1. 2009/10/12(月) 14:16:39 |
  2. URL |
  3. まさやっち #-
  4. [ 編集 ]

Re: テンション上がってキタ

>かにうまさん

シロディールの男達は総ツンデレなので殴らないと気が済まないのです(偏見)
洋画とか見てて思うのですが、欧米人のツンデレ率は何気に高いんじゃないかと思うのは
私だけでしょうか。

オブリの場合はキャラの心情や背景なんかはあんまり本編で語られませんが、
悪役の場合なんかは日記とかを見付けるとどんな人間か解る事が多いですね。
ブレイドやマーティンの日記とかもあれば良かったのに…

>クヴァッチファイブ

最初は真面目に撮ってたんですが、後で見たらもうそういう風にしか見えませんでした(じゃあ使うなよ)


>まさやっちさん

はじめまして。
以前からひそかに見てたという方のコメントがこのところ増えてきて嬉しい限りです^^
最近ちょっと煮詰まり気味ですが、何とか終わらせたいと思います。

>僕もやってみようかと思ってはいますが

オブリの場合、他の方のブログを見るとまるで違うゲームになってる事が多いので
見てる方も楽しいので是非。
大丈夫です。
ゲーム中に撮ったSS適当に貼って、適当にテキスト入れればそれで記事になってますから(笑)

…最近はブログで使う絵の為にオブリを起動することが多いので
ゲームしてる筈なのにゲームしてないというジレンマに陥ってますがorz







  1. 2009/10/12(月) 20:12:16 |
  2. URL |
  3. 天気輪 #-
  4. [ 編集 ]

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Author:天気輪
天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

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