TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

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【プレイ日記93】 明かされた真実 【Paradise #10】

「囚人の様に振る舞っていればいい。私が言った様にしてくれ」

そう言って、エルダミルは俺を先導した。


「囚人らしく…ねぇ」

(ここは従うしかありません)



懐でエキドナが囁いた。


(首を少しうなだれた感じに…そして死んだ魚の目をするのです)

「…こうか?」

(もっと卑屈に…そう、そしてこう言うのです。『看守さん、お勤めは長くなるんでしょうか…?』)

「誰に言うんだよソレ」








93-01

道中、何度かドレモラとすれ違ったが、奴らはエルダミルの顔を見ると
何事もなかったかの様に通り過ぎた。

「…ずいぶん信頼されてるんだな」

「見下されてるのさ。『キャモランの犬が新しい玩具を連れてきた』という程度の認識しかないのだろう」

「キャモランはデイゴンと対等じゃなかったのか?」

「ドレモラにも色々いる。
奴らはデイゴンに命じられてここで師に仕えているにすぎん。
定命の者を見下している彼らからしてみれば面白くないだろうな。
故に、ここに連れてこられた囚人達はみな彼らに飽きるまでひたすら殺され続ける」

「八つ当たりか。意外とヒステリックな連中なんだな…」



カステットの様に闘争を求め続けるバトルジャンキーもいれば、
ただ一方的な殺戮を楽しむ残虐な連中もいるらしい。
人間と同じ様に色んな性格の奴がいるようだ。
血に飢えているという点ではどちらも一緒だが。


「ドレモラで思い出したが…さっきのお前の話で腑に落ちない事がある」

「ふむ?」

「お前はキャラモンの目的はタムリエルの支配者だと言った」

「ああ」

「だが、キャモランは破壊したタムリエルをデイゴンに明け渡そうとしている、こうも言ったよな?」

「言葉通りの意味だ。
師キャモランはナインの代わりにデイゴンを新たな神として迎え、
自身はセプティムになり代わりタムリエルの新たな王となるおつもりの様だ」

「それが分からねえよ。自分が神になればいいだろう?」



そうなのだ。
キャモランの目的がタムリエルの征服で、エルダミルの言う通り
キャモランとデイゴンの間で交わされた契約が対等なものだと言うなら、
デイドラの力を借りて自身がタムリエルの神となる事だって出来た筈だ。





93-02

「…『タムリエルを破壊し、元ある世界を取り戻す』」

「なに?」

「原初の時代、アエドラ…神々の創造の術によってタムリエルは生まれた」

「おいおい、何の話だよ?」

「聞け。
創世神話はそう伝えているが―――師の、マンカー・キャモランの考えは異なっていた」






93-03

「師はある事実を突き止めたていた。
2nd Era時代、モロウウインドにてロークハンの心臓が発見された事を」

「ロークハン?」

「我ら定命の者の世界の創造に携わった言われているアエドラの神。
世界の創造に関わった二柱の一、つまりは創造神の1人だ」

「そんな話あったな…。二柱のもう1人がアカトシュだったか?」



そういうえば昔抜き差しならない事情で教会に泊まる事になった時に
快く迎え入れてくれた神父がそんな話をしていた様な気がする。

ロークハンは他のアエドラ達をそそのかし、定命の者達の世界、つまりタムリエルを作り出した。
そしてアカトシュはアエドラの住まう精霊界とタムリエルとのつながりを確立し、
神々の現世へのアクセスを容易とした。


「蛮勇かと思っていたが意外と博識なのだな」

「うるせえ」

「ふむ。ブレイドの騎士相手にはいささか失敬な問いかけであったか。
…話を続けよう。

ともかく、最初にロークハンはこの世界を作った。
しかし、禁忌である創造の術を使った罰によりロークハンは断ぜられた。

定命の者の神である彼らもまた我々と同じ様に不死ではない。
ロークハンはタムリエルの地の底に投げ入れられ、死んだ筈だった…」

「だった?」

「生きてたのだよ。発掘されたロークハンの心臓は」

「!」


「ロークハンは太古の昔に朽ちたにも関わらず心臓だけの状態で生き続けていたのだ。
その後発掘者達は心臓の持つ膨大な『力』の虜となり、醜い争いを繰り広げる様になり
その中でロークハンの心臓も行方知れずとなってしまったが…」



そこでエルダミルは一呼吸ついてから、こう言った。


「そこで師はここにひとつの仮説を立てた。
創造神ロークハンは実は神ではなく、不死のディードラではないかと。
そして―――このタムリエルという土地も『ロークハン』というディードラが統治していた
オブリビオンの領域のひとつに過ぎないのではないかと」




93-04

「タムリエルもまたオブリビオン界だっていう事か?」

「左様。
師はこうも考えた。
ならば九大神――ナイン・ディヴァインとは一体何者なのか?

ディードラはこうして人間達に直接干渉するというのに、
彼らは何故彫像と説法の影に隠れて出てこないのか?
ディードラは不滅の存在であるのに、何故全能の神々は死ぬのか?」





オブリ門2

「師は結論した。
彼らは真の神ではないからだと。
オブリビオンこそが宇宙のすべてであり、ディードラこそが真の宇宙の神なのだと」

「だからタムリエルをディードラに返すって?やっぱり解らねえよ。
そうする事によるメリットはなんなんだ?」

「それが宗教というものだ」

「宗教、ねぇ」

「己の神が正統な物だと証明されたなら、信徒達にはそれが己の手段を正当化する口実として
成立する。そして神を現世に迎える…
熱心な信者にとっては、師の説は実に理想的な物だったのだ」

「日陰者が日の目を見れる、って訳か。…でもアンタは随分冷静なんだな」

「…私の理想は人の世を正す事だった。九大神よりも現実的な『力』を与えてくれる
ディードラの理念に近付いたのもそのためだ。
…だが現実はそうではなかった。そういう事だ」

「・・・ふーん」




何か腑に落ちないな、と俺が考えていると、突然正面から
耳障りで独特なしゃがれ声が投げかけられた。





93-05

「ここで何してる?こいつは誰だ?」


そこに立っていたのはドレモラだった。


(遂に感づかれたか…)

(落ち着け。私に任せるんだ)



エルダミルは俺を見ないでそう囁き、ドレモラに対して口を開いた。


「囚人だ。送られてきた…」

「敬意を払え、ウジ虫め!
お前が奴等と共に牢の中で一生を終えたいというのでなければな!」



激昂するドレモラに対してエルダミルは眉一つ動かさず、うやうやしく一礼した。


「はい、失礼しましたキンリーヴ様。
この囚人はカステット卿が尋問の為に送ってきた者。今から始めるところです」

「庭から来たマンカー・キャモランの奴隷の1人ではないのか?
こいつは何者だ?」

「さぁ、そこまでは…
カステット卿が大いに怪しまれたので、尋問するように送ってこられたのでしょう。
はて、キンリーヴ様の目から逃れえる者などいないと思っておりましたが」



キンリーヴと呼ばれたドレモラはそう言われてフンと鼻を鳴らした。
怒りで顔が紅潮してる様な気もしたが、ドレモラの顔は元々赤いので良く分からなかった。


「っ…人間が!ならばさっさと尋問を始めるがいい!」

「は、仰せのままに」

(おい!?)

(任せろと言ったろう。このまま演技を続けるんだ)







93-06

エルダミルに言われるままに、俺は牢の中に入った。
例の天井から吊るされている悪趣味な檻と同じものだった。
足元から溶岩の熱気が吹き付けられ、鎧の下にじっとりと汗が浮かんだ。


「どうした、早く始めぬか」

「…いえ、キンリーヴ様にはお目汚しかと思いまして」

「貴様は頭にもウジが沸いているのか?この退屈な『楽園』でこれ以上の見物があるか?
つべこべ言わずにさっさと始めろ」

「・・・は」



躊躇せず、エルダミルは檻に繋がっているレバーを倒した。
ガクン、という音と共に檻がゆっくりと溶岩の中へ降下を始めた。




93-07

「エルダミル!何しやがんだ!」

「…少し熱いが我慢しろよ」

「てめえ騙しやがったな!?」














注釈



●モロウインド

前作、TES3 Mrrowindの舞台。
自然溢れるシロディールとはまた異なった文化様式を持ち、
どこか暗く退廃的なイメージが漂う。
機会があればプレイしてみたい所。


●ロークハンの心臓の発掘

TES3のストーリーのバックボーンとなっている事件で、TES3以前の物語。

ロークハンの心臓を発見したドワーフ族はこの心臓から神の力を抽出し
強力なアーティファクトを作り出したが、とある戦いでこの神器を使用した後、
ドワーフの一族は永遠にタムリエルから姿を消した。

TES4でもドワーフの武具や技術があちこちで見受けられるにも関わらず、
彼らが登場しないのはこのためだと思われる。

ドワーフ族亡き後、この神器と心臓を巡りモロウインドで醜い争いが繰り広げられた後
英雄や賢人達の下、封印される協定が結ばれたが、その力の誘惑に負けたヴィヴェックら
数人が封印を再び解き、自身に神の能力を与えた。

その非道な行為に怒ったディードラ神アズーラは彼らの民、Chimerに呪いをかけた。
彼らの肌は灰色になり、目の色は炎の様に赤く染まった。
後にダンマー、ダークエルフと呼ばれる人達の成り立ちである。


●タムリエル=オブリビオン説

タムリエルの創造主であるロークハンの心臓だけの状態でなお不死であった事から
ロークハンもまた不死のディードラ・プリンスの1人であり、それならタムリエルも
オブリビオンの1領域に過ぎないのではないかというキャモランの持論。

現在は表向きロークハンの心臓は行方不明となっているため真実は定かではないものの、
直接人間との対話にも応じるディードラに対し、人の世に姿を現さない九大神の存在を
考えれば、ディードラ信者達にとって非常に魅力的な説だっただろう。

犯罪者集団として指定されているにも関わらず、ミシックドーンへの入信者が後を立たず、
彼らがキャモランの指令に非常に忠実なのはこのためかもしれない。

要約すると、


キャ「ひょっとしてタムリエルもオブリビオンじゃね?俺らがシロディールで毛嫌いされる意味わからなくね?」

信者「おまえ頭いいな」

キャ「じゃあナインってニセモノの神じゃん。俺ちょっとデイゴンさんと一緒に皇帝ボコしてくるわ」

信者「俺も俺も。ツレとか呼んでくるわ。俺の先輩ディードラ魔法バレて大学中退したからマジ強いし」

キャ「じゃあ組織作ろうぜ。『ミシックドーン』とかカッコよくね?」

信者「キャモランさんマジ半端ねぇッス。すごいなーあこがれちゃうなー」

キャ「それほどでもない」



…そんな会話があったかどうかはともかく。

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テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2009/10/06(火) 01:10:32|
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天気輪

Author:天気輪
天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

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