TES4-輝輪酸紀行

PCゲーム「oblivion」のRP小説とMOD解説感想などなど。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【プレイ日記82】 選ばれし者たち 【Defense of Bruma #13】

「っこの・・・」

81-16








82-01

「野郎っ!」





82-02

一瞬後。肩で息をしている自分に気付いた。
腹が立っていた。
訳がわからない位、どうしようもなく、腹が立っていた。






82-03

「黙っていたのは悪かった」


同じ様に肩で息をしながら、マーティンが口を開いた。


「君を戦力として必要としていた事も認めよう。私も人間だ。
この勝算の見えない戦いに少しでも力が欲しいと願っていた事は事実だ。
打算が無かったと言えばきっと嘘になるだろう」

「てめえ・・・」

「だがな、マジェラ」



マーティンが、『友』ではなく、初めて俺を名前で呼んだ。
いつもとは違う彼の言葉に一瞬だけ身体が硬直する。

―――それが、いけなかった。

























82-04

「人の話は最後まで聞かないかッ!!」


普段の物腰からは信じられない速度でマーティンは跳躍し、飛び回し蹴りを放った。
その容赦ない一撃に吹き飛ばされた俺はそのまま壁面に叩き付けられる。


「が…っ!!」


マーティンが常日頃周りの人間にガッチリ護られていたせいですっかり忘れられていた。

この男は、俺とあのクヴァッチの地獄を一緒に潜り抜けてきた。
その強靭な精神力と体力で、危険なザルクセスの書の解析を一人不眠不休でやってのけていた。

元々護衛など必要としない位戦士としての能力に長けている男なのだ。




ただ、そこに感動や共感を覚える余裕は俺にはなかった。
腹が立っていた。
訳がわからない位、どうしようもなく、腹が立っていた。


「謝る…だぁ?」


そして、物凄く痛かった。


「言ってる事とやってる事が違うじゃねーか!痛ぇぞ馬鹿野郎!」

「謝罪するとは言った」



ふん、と鼻を鳴らしながらマーティンは憮然と言い放った。


「だが、1発は1発だ」

「あぁ!?先に殴ったのはアンタだろうがっ!!」

「確かに先に殴ったのは私だが、君は2発殴った。正当な報復だ」

「皇帝の癖に細かい事までネチネチ恨んでんじゃねえよ!」

「君こそクヴァッチの英雄だろう。下品な口は慎みたまえ」

「周りが勝手にそう呼んでんだけだろ!」

「は、内心喜んでる癖にね。謙虚なのも度が過ぎると嫌味だと思うがね」

「ん、が、この野郎ペラペラ喋りやがって!」

「ははは、悔しければ君の自慢の腕っ節を振るってみればいいだろう。
それとも不敬罪が怖いかね?」

「都合のいい時だけ皇帝ぶるんじゃねえ!後悔しろこの野郎ッ!」















***















82-05

マジェラとマーティンが険悪に成り始めた頃、
マーティンの馬が城下にいない事に最初に気付いたのはジョフリーだった。


「若め、いつの間に…相変わらずこういう事が器用でらっしゃる」

「面目ありません、マスター・・・宴席中の殿下の脱走を見逃したのはブルーマの兵の怠慢です。
殿下にもしもの事があればこのバード、腹を切って責任をッ…!」

「うん?何で腹を切るのさ?」



気だるそうにヴィエラが聞く。


「ブレイドの勇士達は古来からハラキリで責任を取ったのだ。かくなる上は私も…」

「ブレイドにそんな風習はないわい!一体誰の受け売りじゃ」

「以前ボーラスどのからお借りした書物にそうありましたが」

「そりゃアカヴィリのニンキョーとかいう娯楽小説じゃろ。まったくあいつはいい加減な事ばかり…」

「つーかさ、別に放っておきゃいいのにさ」



外の寒さに身を震わせながら、ヴィエラがぼやいた。


「どうせ男同士で話し合ってるんだろ?好きにさせてやればいいのにさ」

「マジェラ殿ならともかく、ミシックドーンの動向も知れない今はそうはいきますまい。
殿下の身にもし何かあれば私は腹をッ…」

「腹は別にいいが、バード隊長の言う事ももっともじゃ」



白い息を吐きながら、ジョフリーが後を継いだ。


「世界の平和は今、若の御身にかかっている。最早ご自身だけの身体ではないと解ってもらわなければな」

「ハイハイ、男は複雑だねぇ、嬢ちゃん」



呆れた風に、ヴィエラはエキドナに笑ってみせたが、彼女は相変わらず無表情だった。
ただ、ぼそりと。


「…単純ですよ」

「え?」

「私には理解できませんが」


82-06













***














一方その頃、神殿内ではシロディールでは類を見ない程のハイレベルな格闘戦が繰り広げられていた。







「大体ッ…うっとおしい小細工が多いんだよアンタは!」

「何の事かね!」

「バードにクヴァッチの事隠したりとかだよ!アイツの誉め殺し端から聞いてて気味悪くて仕方ねえぞ!」

「ハハハ、バード隊長はいい男だろう!」





82-07

俺は渾身の力を込めて回し蹴りを放った。が、マーティンは身を屈めて難なくこれをかわした。


「その分彼は君に気兼ねなく接してくれるだろ?」

「友達作ってやって感謝しろってか?何様だよアンタ!」






82-08

しゃがんだ態勢からマーティンは鋭い肘打ちを放つ。
が、マーティンが反撃に転じる事は予測済みだ。バックステップでこれを回避。
2人の距離が離れた。

お互いに次の手を出すには慎重さが求められる間合いだ。
2人の間に緊張が走る。

先に焦れて来た俺がどうやって間合いを詰めようか興奮した頭で考え出した頃、
突然マーティンが口を開いた。


「何様?・・・私にそれを聞くかね」

「あん?」

「決まっている」






82-09

「王様だ」

「なっ…」



緊張が弾けた。


「ふざけんなこの野郎!あれだけ皇帝って言われてビビってた癖に!」

「前向きといって欲しいな。私は与えられた環境で努力する決意をした。
君こそどうなんだ?
『クヴァッチの英雄』という名前が重たくて仕方ないのではないかね?」

「!?」

「望んでもないのに役割を押し付けられるのは辛いよなぁ、英雄。良く解る。
オブリビオンを封印した最初の戦士?冗談じゃない。私なら避けて通りたいな。
自分達も救ってくれと言う者が後を絶たなかったろう?
だが周囲の期待から逃げられない。君が『仕方ないなぁ』なんて言うのも良く解るよ」

「ちがっ…」

「違うかね。いや、そうじゃなかった筈だ。
あの日君がクヴァッチのゲートを閉じようと思わなければ引き返す事も出来たし、
私を放り出してシロディールの外へ逃げ帰る事だって出来た筈だ。
元々そんな役割投げ出したかったのだろう?」



―――そうじゃない。
そうじゃないだろう!!



「私は一行に構わんよ。ブレイドを辞めたければいつでも辞めていい」













47-09














そうじゃねえ。
何を言ってるんだこのボケオヤジは。
「仕方ない」ってのはそういう事じゃねえだろ。













「・・・れを」

「何だい?言いたい事があればちゃんと言いたまえ」

「俺を最初に友と呼んだのはアンタだろうがっ!!」















82-10

バツン!!と空気さえも弾け飛んでしまいそうな打撃音が寺院に響いた。
理屈も何もない全力の正拳突き。
真正面から受け止めたマーティンの腕からミシッ…とやな音が響いた。


「…そうさ、そうしてアンタは俺を巻き込んだ!!」

「その通りだ。君が私を否応なくこの災厄の渦中に突き落とした様になッ!!」






82-11

互いの拳を振り払い、その後俺たちは防御もフェイントもなく
ただひたすら遮二無二に殴りあった。

痛い。どうでもいい。

「ああもううっせえ!ベラベラ鬱陶しいっ!」

「知るものか!私は言うぞ!君は逃げれるならいつでもそう出来た筈だッ!
私は君に協力を願う事はあっても一度も強制した事はないだろうッ!」

「ああそうかよ!ありがとうよッ!」

「本当に逃げられないのは私だッ!」



拳を止める事無くマーティンがわめいた。


「世界を救えるのはお前だけだと言われて誰が逃げれるものか!?
背を向けて明日がないと言われて誰が逃げれるものかッ!?
嫌に決まっているだろうッ!!これが想像できるか!?」

「お節介自慢の次は不幸自慢かよ!」

「ああそうだ!私は怖かった!だから君を巻き込んだ!だがな!
世界に一人だけの存在だと、その重責をッ―――君なら背負いたいかっ!?」

「やなこった!」

「そんな重さを―――
『友』と呼ぶ人間に私が背負わせたいとでも思ったかッ!!」

「・・・・っ!!」







「――――あ」



直撃だった。完全に意識が散漫になっていた。




82-12

―――今日はよく負ける日だ。


薄れゆく意識の中、そんな事を考えながら。


俺の記憶はそこで途切れた。














注釈



●元々護衛など必要としない位戦士としての能力に長けている男なのだ。

一人でディードラの書を解析しちゃうインテリぶりや常日頃からボーラスやプレイヤーに
護られているイメージが強い殿下ですが、クヴァッチ帰りは伊達じゃない、と。
魔法も使えて不死属性までついてる初期マーティンのクヴァッチでの無双ぶりは
誰もが知るところかと。

…とはいえ、素手のまーくんがこんなに強いのはウチかもしれないorz

…あ、アカトシュ神拳があった。



●そりゃアカヴィリのニンキョーとかいう娯楽小説じゃろ。

ペイル・パスでの一件でアカヴィリ騎士の武者ぶりに感動して以来、
バードはアカヴィリ文化に傾倒している。

衛兵詰所で休憩中にアカヴィリの伝記や小説を読むのが最近の日課。
感極まると一目をはばからずに号泣するので団員は非常に迷惑しているらしい。

レッドガードとノルドはあまり仲が良くないのですが、面白がったボーラスが
クラウドルーラーの書物をバードに定期的に貸し出したのが縁で2人は非常に
友好的な関係だった様です。




今回使用MOD


●CTAddPose_LE02 ver1.0


様々な戦闘シチュエーションを想定したアクロバティックなポーズが収録されているポーズMOD。
RobertMaleBodyだとポーズによっては手が身体にめり込んだりする様ですが、
このMODの製作者の方はほかにも以前雑記で紹介した構えMOD「Animation Replacer Pack」等も
製作されている事もあってか、戦闘向けポーズMODとして扱い勝手は非常に良いです。
特にHandtoHand(素手)を想定した攻撃ポーズが多め。

Oblivionの仕様でHandtoHandが使いづらいせいかあまりSSを見た事がなかったので試してみました。
今回の喧嘩シーンを思いついたのはこのMODの存在のお陰です。


●Fujosi Pose ver0.4

こちらも以前説明したので不要かと思いますが、ご存知フジョシプレイOBLIVION謹製ポーズMODです。
アカトシュ神拳アッパーとやられモーションを拝借しました。
ポーズ名見てて今更気付いたんですが、ひょっとして鉄拳がお好きなんでしょうか。
酔拳の回はフジョシプレイならではで大いに笑わせて頂きました。

スポンサーサイト

テーマ:Oblivion - ジャンル:ゲーム

  1. 2009/09/10(木) 21:54:44|
  2. RP小説-メインクエ篇
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<【プレイ日記83】 そして選びし者達 【Defense of Bruma #14】 | ホーム | 【プレイ日記81】 こわれる 【Defense of Bruma #12】>>

コメント

天気輪さんこんばわです。

最初いったい何が起きてるのかわかりませんでした(;゚▽゚)

これこそ真のアカトシ神拳ktkr。
酔拳使えるのはうちの殿下だけだと思ってたのに思いっきり意表付かれてしまいましたヨ!( ゚Д゚)

こんなに動き回るまーちん見たのは久しぶりです。
歳のせいかうちの殿下は動きが鈍くなっちゃってて。
天気輪さんとこの元気な殿下を見習ってもらわにゃーと!

CTAddPose_LE02 ver1.0は01と共に私もちょこちょこ使わせてもらってますが、アクションポーズが秀逸ですよね。
って、私のポーズMODがver1.0になるのはいつのことやら(遠い目
  1. 2009/09/14(月) 20:28:00 |
  2. URL |
  3. Miari #wVPWx2mE
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

>miariさん

返信遅くなってごめんなさい;

たまたまコメントを頂く事が多かった週だった為、コメント履歴がどんどん下に
さがってしまっていたのでうっかり見落としてました。
miariさんのMODが無かったらこの回は有り得なかったのに何て事をorz

中世ヨーロッパの巡回牧師は自衛の為に何かしらの自衛手段を持っていたと
どっかで聞いた気がするので、マーティンも牧師になった時に技を習得したんでしょうね。
今思いついた設定ですが(何)

LEtwoの連発だったのに最後でフジョシポーズになったのは単純にアッパー系の技が無かったのも、
ありますが、最大の決め手はマーティンのおみ足でした(笑)
ローブの下もちゃんとモデルあるんだ!と妙に感動してしまいました。
フジョシポーズが無かったら見れないショットでしたね・・・。

という訳で次のフジョシポーズのアップデートを楽しみにしています(マテ

  1. 2009/09/16(水) 19:41:44 |
  2. URL |
  3. 天気輪 #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://kirinsasidchemistry.blog47.fc2.com/tb.php/105-819deeec
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

天気輪

Author:天気輪
天気輪(てん・きりん)

PS3版をプレイ後、
PC新調を機に2009年6月から
TES4 oblivionを開始。

Twitter@Tengkiring


このサイトはリンクフリーです。

カウンター

Visit:

Now Online:

検索フォーム

最新記事

カテゴリ

はじめに (1)
登場人物紹介 (4)
もくじ(RP小説) (3)
RP小説-メインクエ篇 (121)
RP小説-戦士ギルド篇 (15)
RP小説外伝-青鬼篇 (20)
RP小説外伝-しろメル篇 (11)
RP小説外伝-短篇 (2)
もくじ(自作MOD) (1)
自作MOD (20)
もくじ(その他) (1)
CS・ツール (20)
MOD紹介 (29)
他作MOD配布 (1)
Legend of Diva攻略 (5)
雑記 (53)
Fallout3/NewVegas (5)
他のゲーム (5)
戯言 (8)
事故創作 (1)
未分類 (0)

ブログ記事ランキング

最新コメント

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

World-Word-翻訳

英語English
韓国語 한국어
中国語 中文
フランス語 Franc,ais
ドイツ語 Deutsch
イタリア語L'italiano
スペイン語 Espan~ol
ポルトガル語 Portugue^s
Present's by サンエタ
英語English
韓国語 한국어
中国語 中文
フランス語 Franc,ais
ドイツ語 Deutsch
イタリア語L'italiano
スペイン語 Espan~ol
ポルトガル語 Portugue^s
Present's by サンエタ

Twitter

アンケート

無料アクセス解析

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。